【電球の捨て方】種類ごとの分別とリサイクル方法を徹底解説

電球は日常的に使うものですが、種類によって適切な捨て方が異なります。
間違った処分をすると、環境への悪影響やリサイクルの妨げになることも。
この記事では、白熱電球・蛍光灯・LED電球の捨て方とリサイクルの可否について詳しく解説します。


電球の種類と特徴

電球には大きく分けて以下の3種類があります。
それぞれの違いと、廃棄時の注意点を見てみましょう。
種類 | 特徴 | 廃棄方法 |
---|---|---|
白熱電球 | フィラメントが発熱して光る。寿命が短く消費電力が高い | 不燃ゴミ(リサイクル不可) |
蛍光灯 | 内部のガスが発光。水銀を含むため回収が必要 | 回収ボックスまたは資源ゴミ |
LED電球 | 半導体が発光する。寿命が長く消費電力が低い | 回収プログラムまたは不燃ゴミ |
電球の主な素材とその特徴
電球の種類ごとに使用されている素材には以下のような違いがあります。
白熱電球

- ガラス(球体部分):耐熱性のあるソーダ石灰ガラスまたはホウケイ酸ガラス
- フィラメント:タングステン(高温で発光)
- 口金:アルミニウムまたは真鍮
- 封入ガス:アルゴンや窒素などの不活性ガス
蛍光灯

- ガラス管:細長いソーダ石灰ガラス
- 内面コーティング:蛍光体(リン酸塩など)
- 封入ガス:水銀とアルゴンの混合ガス
- 電極部:ニッケルなどの金属
LED電球

- カバー(外装):ポリカーボネートやガラス
- 発光部:半導体(GaN系など)
- 基板やヒートシンク:銅やアルミなどの金属材料
- 口金:アルミまたは真鍮
これらの素材構成の違いが、リサイクルの可否や処理工程の複雑さに大きく関わっています。
白熱電球の捨て方

白熱電球はリサイクルが難しく、多くの自治体では「不燃ゴミ」または「燃えないゴミ」として扱われます。
通常のガラスとは異なり、リサイクルできないため、分別回収はされていません。
リサイクルが難しい理由
- 特殊加工されたガラスは他のガラスと混ぜると品質が低下
- 金属部品(口金・フィラメント)の分離が困難
- 経済的価値が低く、分解コストが高い
捨てる際の注意点
- 割れていない電球:新聞紙などで包み、「危険」と記載して不燃ゴミへ
- 割れた電球:ビニール袋に入れ、ガラス片が飛び出さないように封をする
※ 詳しくは別記事「白熱電球がリサイクルできない理由」を参照
蛍光灯の捨て方

蛍光灯には微量の水銀が含まれており、不適切な処分は環境汚染につながります。
そのため、回収ボックスや資源ゴミとしての回収が推奨されています。
回収・リサイクル方法
- 家電量販店や自治体の拠点回収
- 回収された蛍光灯は、ガラス・金属・水銀に分別され再利用
具体的な回収プログラム例
- ビックカメラやヤマダデンキでは、店舗に「使用済み蛍光灯回収ボックス」を設置している場合があります
- 蛍光ランプリサイクル推進センター(FLRセンター)では、事業所向けの使用済み蛍光灯の広域回収を実施しています
捨てる際の注意点
- 割れた場合は密閉できる袋に入れ、換気をして処理
- 不燃ゴミとして出さず、回収プログラムを優先
LED電球の捨て方

LED電球は電子部品を含むため、リサイクル可能な場合がありますが、処分方法は自治体によって異なります。
回収・リサイクル方法
- 家電量販店や一部自治体の回収ボックス
- 回収後は金属・ガラス・電子部品に分別され再利用
具体的な回収プログラム例
- パナソニックや東芝ライテックなど一部メーカーは、法人向けにLED照明器具の回収サービスを提供しています
- 小型家電リサイクル法に基づく「使用済小型家電回収ボックス」で回収される自治体もあります。例:川崎市、名古屋市
捨てる際の注意点
- 可能なら回収プログラムを利用
- 自治体によっては不燃ゴミ扱い
自治体別の処分方法(一部例)

電球の分別ルールは、自治体によって大きく異なります。
以下の表は代表的な都市における電球の処分方法の比較ですが、住んでいる地域の最新情報を必ず確認しましょう。
特に、蛍光灯やLED電球については拠点回収やボックス設置の有無も異なるため、各自治体のサイトや清掃事務所に問い合わせるのがおすすめです。
自治体 | 白熱電球 | 蛍光灯 | LED電球 |
---|---|---|---|
東京都23区 | 不燃ゴミ | 資源ゴミまたは回収ボックス | 不燃ゴミ |
大阪市 | 不燃ゴミ | 資源ゴミまたは回収ボックス | 不燃ゴミ |
横浜市 | 燃えないゴミ | 拠点回収 | 燃えないゴミ |
名古屋市 | 燃えないゴミ | 資源ゴミ | 燃えないゴミ |
※ 最新情報は各自治体の公式サイトをご確認ください。
環境に優しい電球の選び方

どの電球を選ぶかによって、将来的に出る廃棄物の量やエネルギー消費量が大きく変わります。
白熱電球は初期費用が安価な反面、寿命が短く頻繁な交換が必要です。
蛍光灯は寿命が比較的長いものの、水銀を含むため処分時に注意が必要です。
一方、LED電球は初期コストこそ高めですが、寿命が非常に長く、省エネ性能も優れており、結果的に環境にも家計にもやさしい選択肢と言えます。
以下に比較表を示しますが、環境負荷の観点からも、今後の買い替え時にはLEDへの切り替えを強くおすすめします。
項目 | 白熱電球 | 蛍光灯 | LED電球 |
---|---|---|---|
寿命 | 約1,000時間 | 約6,000〜15,000時間 | 約40,000時間 |
消費電力 | 高い | 中程度 | 低い |
廃棄のしやすさ | 不燃ゴミ | 回収ボックス推奨 | 回収プログラムあり |
環境負荷 | 高い | 中程度(水銀) | 低い(長寿命・省エネ) |
間違って燃えるゴミに出したらどうなる?

電球を間違って「燃えるゴミ」に出してしまうと、以下のような問題が起こる可能性があります。
① 焼却炉への影響
電球は通常の可燃ごみと異なり、ガラスや金属を含んでいるため、焼却時に完全に燃えずに炉内に残留物を生じる恐れがあります。
特に白熱電球やLED電球の金属口金は、焼却設備に不要なダメージを与える場合があります。
② 蛍光灯の場合は特に危険
蛍光灯に含まれる微量の水銀は、焼却によって大気中に放出される可能性があります。
水銀は非常に毒性が強く、微量でも環境や人体に悪影響を及ぼすため、誤って燃やすことは絶対に避けるべきです。
③ 分別作業員の安全リスク
回収・分別の過程で割れた電球が混入していると、ガラス破片によるけがや、蛍光灯破損による水銀暴露のリスクが発生します。
適切な分別は、現場の作業者の安全にも直結しています。
電球は「見た目が小さいから」と気軽に燃えるゴミに混ぜるのではなく、「燃えない」理由を理解し、適切に処理することが大切です。
まとめ
電球は種類によって処分方法が異なり、白熱電球は不燃ゴミ、蛍光灯は回収ボックスや資源ゴミ、LED電球は回収プログラムの活用が基本です。
誤って燃えるゴミに出すと、環境や焼却施設に悪影響を及ぼすこともあります。
正しく分別して、安全かつ持続可能な選択を心がけましょう。