【長靴の捨てかた】燃えるごみ?不燃ごみ?分別ルールから再利用・リサイクルまで徹底解説

雨の日、農作業、釣り、現場作業——日常から専門用途まで幅広く使われる「長靴」。
いざ古くなって捨てようとすると、「これって燃えるゴミ?」「不燃ごみになるの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、一般的なゴム長靴から、釣り用の胴付き長靴(オーバーオール型)まで、長靴の捨て方を網羅的に解説します。
長靴は何ゴミ?まずは基本の分別を確認

長靴の分別区分は、全国どこでも一律というわけではありません。
各自治体の焼却設備やごみ処理方針により、実際には驚くほど多様な分別ルールが存在します。
たとえば、主要都市を見ても以下のようにバラつきがあります:
自治体 | 分別区分 | 備考 |
---|---|---|
東京都23区(例:世田谷区) | 不燃ごみ | ゴム靴・革靴も「不燃」に分類 |
横浜市 | 燃やすごみ(可燃) | ただし50cm以上のものは粗大ごみ扱い |
大阪市 | 普通ごみ(可燃) | 靴類は「普通ごみ」で出せる |
名古屋市 | 可燃ごみ | ゴム手袋・長靴は可燃扱い |
柏市(千葉県) | 不燃ごみ | ゴム製長靴も不燃で統一 |
このように、同じ「長靴」でも自治体によって「可燃」「不燃」場合によっては「粗大」と判断が分かれています。
そのため、必ず居住地域の分別ルールを確認することが重要です。
なぜ長靴は「燃えるごみ」で出せないことがあるのか?

長靴の主な素材は以下のとおりです:
- PVC(塩化ビニル)
- 天然ゴム
- 合成ゴム(NBRなど)
- EVA樹脂
これらは基本的には燃える素材ですが、素材の種類や構造によっては処理が難しいケースもあります。
- 一部の塩ビ素材は焼却時に特定条件下で有害ガスを出す可能性がある
- 厚みがあり燃えにくい長靴は焼却炉に負荷がかかることも
- 内部に金属芯が使われている場合、不燃扱いされる自治体もある
このため、「基本は可燃ごみ」でも、「例外的に不燃または粗大に分類されるケースもある」と認識しておくとよいでしょう。
胴付き長靴(釣り・清掃用)はどう捨てる?
「ウェーダー」や「胴長靴」とも呼ばれる、腰や胸まで覆うタイプの長靴は、釣りや河川清掃、農作業などに使われる専門性の高いアイテムです。
構造もサイズも一般的な長靴とは大きく異なるため、捨て方にも注意が必要です。
特殊な長靴

胴付き長靴には以下のような特徴があります:
- 防水布地と長靴部が一体化
- 上半身までを覆うナイロンやゴム製の布地と、足元の長靴が縫製または接着でつながっており、防水性が非常に高い構造になっています。
- ベルトやバックル付き
- 使用時にずり落ちないよう、肩ベルトやウエストベルトがついているものが一般的です。
- これらの部品にはプラスチックや金属が使用されていることもあります。
- 全長90〜130cmにもなる大型品
- 胸元まで覆うタイプのものは、収納時でもかなりかさばるサイズ感となり、一般的なごみ袋に入らないケースもあります。
特殊な長靴分別のコツは?
自治体によって扱いが分かれるものの、以下のような点を目安に分別を検討しましょう:
- 可燃+不燃の混合構造:解体せずに出す場合は「粗大ごみ」
- 防水布と長靴部分を分けずにそのまま捨てる場合、多くの自治体ではサイズや構造の複雑さから粗大ごみ扱いとなります。
- サイズ的にも粗大扱いが一般的
- 家庭ごみとして扱えるサイズを超えることが多いため、粗大ごみとして申し込むのが無難です。
- 解体できるなら、布部分は可燃・靴部分は不燃として分別できることも(自治体による)
- 分解が可能であれば、素材ごとに分けて処理できるケースもありますが、事前に自治体のルールを確認するのがベストです。
長靴のリサイクルは進んでいる?注目の2つの取り組み

長靴は複数の素材で構成されているため、リサイクルや回収の対象になりにくいアイテムです。
しかし近年、メーカー主導で環境配慮を意識した取り組みが少しずつ広がりはじめています。
ここでは、注目すべき2つの実例をご紹介します。
HUNTER(ハンター)|ブーツ回収&リサイクルプログラム
英国発のラバーブーツブランド「HUNTER(ハンター)」は、自社製の使用済みブーツを無料で回収するブーツ回収&リサイクルプログラムを展開しています。
- 回収対象:HUNTER製ラバーブーツ(破損品もOK)
- 回収方法:対象店舗への持ち込み
- 銀座フラッグシップストア、長島アウトレットストア、深谷アウトレットストア
- リサイクル内容:粉砕後、公園や遊歩道のゴム舗装材として再利用
- 特典:回収協力者には、次回購入時に使える10%割引クーポンを進呈(当日、持ち込み店限り)
HUNTERは、このプログラムを通じて廃棄物の削減や資源の循環利用を推進し、環境に優しいライフスタイルの普及に貢献しています。
▶︎詳細情報は公式サイトへ

長靴の回収・再資源化は、まだこれから
2025年現在、長靴の回収・リサイクルプログラムはごく少数です。
しかし、今回ご紹介したようなブランド主導の取り組みは、持続可能な社会に向けた一歩として注目に値します。
まだ使える長靴は、処分前に「再利用」「寄付」「メーカー回収」ができないかもぜひ検討してみてください。
まとめ:長靴は「素材」と「サイズ」で分別が決まる
長靴の分別ルールは自治体によって異なり、可燃・不燃・粗大ごみと判断が分かれます。
必ずお住まいの地域のルールを確認し、正しく手放すことが大切です。
また、HUNTERやミツウマのような回収・リサイクルの取り組みも少しずつ広がりつつあり、今後の発展が期待されます。