【コンタクトレンズの捨てかた】ケースのリサイクル、始まっています!

毎日使うコンタクトレンズですが、使用後のレンズやケースをどう捨てるべきか知っていますか?
特にOneDayタイプの使い捨てレンズを使用している方は、日々多くのプラスチックごみを出していることになります。
しかし、最近ではコンタクトレンズのケース(ブリスター)を回収・リサイクルするプログラムが始まっています。
今回は、具体的な回収事例を紹介しながら、適切な捨て方について考えていきましょう。


コンタクトレンズの回収・リサイクルプログラム
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アイシティ「ecoプロジェクト」

全国展開しているコンタクトレンズ販売店「アイシティ」では、使用済みのコンタクトレンズのブリスターケースを回収し、リサイクルする「アイシティecoプロジェクト」を実施しています。
参加方法

- 使用済みのコンタクトレンズのプラスチックケース(ブリスター)を洗って乾かす
- 最寄りのアイシティ店舗に持ち込み、設置された回収ボックスへ投入
リサイクルの流れ
回収されたブリスターケースは選別・再資源化され、再生ポリプロピレンへと生まれ変わります。
再生ポリプロピレンは耐熱性に優れたプラスチック素材として自動車部品や家電製品の部品にも使用されるそうです。
また、リサイクル業者への販売によって得られた利益の一部は日本アイバンク協会へ寄付され、社会貢献にもつながる仕組みになっています。

回収拠点
全国のアイシティ店舗(一部を除く)で受け付けています。
詳細な設置場所は公式サイトで確認できます。

リサイクルプログラムに参加できない場合には?
近くに回収拠点がない場合や、持ち込みが難しい場合は、自治体のルールに従って正しく分別して捨てましょう。
コンタクトレンズとその容器の材質について
コンタクトレンズとそのパッケージがどんな材質で作られているのか、考えたことがあるでしょうか?
※主に使い捨てレンズ、ソフトコンタクトレンズについて記します。
コンタクトレンズ本体

ソフトレンズの本体は「シリコーンハイドロゲル」や「HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)」などの高分子化合物で作られています。
柔らかくて水を含みやすく、酸素を透過しやすいという性質があるそうです。
シリコン系なのでプラスチックの一種なのですが、現状は特にリサイクルのプログラムはないようです。
ちなみに、ハードレンズも「フルオロシリコーンアクリレート」というプラスチックの一種です。
ブリスターパック(プラスチックケース)

使い捨てコンタクトレンズの容器を「ブリスターパック」というそうです。
「ブリスター(Blister)」は英語で「水ぶくれ」や「気泡」を意味する言葉で、透明なプラスチックシートを加熱成形し、製品を包むように作られたパッケージのことを指すらしいです。
このブリスターパックの材質は「ポリプロピレン(PP)」または「ポリエチレン(PE)」。プラスチックです。
容器包装プラスチック(通称「プラ」)には当たりませんが、プラスチック素材として一括収集している自治体も多いため、分別の際には注意が必要です。

アルミシール(ふた部分)
ブリスターパックの中のレンズと液体が漏れ出さないように密封している蓋は「アルミニウム」素材です。
一見シート状のプラスチックのようにも見えますが、裏面のシルバーを見るとわかります。
アルミも捨てかたによってリサイクル可能な場合があるので、次の記事も参考にしてください。

🔍 自治体ごとの分別ルール

コンタクトレンズやケースの分別方法は自治体によって異なりますが、一般的には以下のように分類されます。
コンタクトレンズ本体

可燃ごみ(自治体によっては不燃ごみ)
ブリスターパック

プラスチックごみ(資源ごみとして回収する自治体もあり)
アルミシール


金属ごみ(小型金属ごみや不燃ごみとして処理)
外箱

紙ごみ(資源ごみ)
分別ルールの確認を!
コンタクトレンズの主な構成要素、プラスチックとアルミシールは自治体によって細かいルールが異なる場合が多いです。
お住まいの自治体のごみ分別ガイドを確認することをおすすめします。
また、回収プログラムがない場合でも、できるだけごみを減らす工夫として、2ウィークやマンスリータイプのレンズを利用することで廃棄量を減らすことも検討してみましょう。
おまけ:マイクロプラスチック問題
コンタクトレンズの捨てかたを誤ると 環境に大きな影響を与える可能性があるという研究結果もあります。
マイクロプラスチックの原因に
- 下水処理施設では完全に分解されず、細かく砕けて水中に残る。
- 海や川に流れ込み、生態系に悪影響を及ぼす可能性がある。
毎年20〜30億枚が不適切処理されている!?
アリゾナ州立大学の研究によると、、
- 廃棄されたコンタクトレンズの一部は下水処理過程で微細なプラスチック片となり、最終的に環境中へ放出される。
- 研究では、年間約 20〜30億枚 のコンタクトレンズが不適切に処理されている可能性が指摘されている。
- 出典:Sinking Behavior of Contact Lenses in Wastewater Treatment Systems (ACS Environmental Science & Technology)
恐ろしい数字です。誤って流してしまわないよう気をつけましょう。
まとめ
コンタクトレンズは小さなアイテムですが、その捨て方を見直すことで環境負荷を減らすことができます。
毎日ゴミ箱に捨ててしまうのではなく、今回紹介したような回収プログラムを活用してみてください。
あなたの行動が、未来の環境を守る第一歩になります。ぜひ、今日からできることを始めてみましょう。