【ガス缶の捨て方】CB缶・OD缶は穴あけ不要?安全な処分方法とは

「カセットコンロのボンベ、捨て方に迷う…」
「キャンプで使ったガス缶、穴を開けて捨てるって本当?」
そんな疑問を持つ方は意外と多いのではないでしょうか。
ガス缶は誤った処分をすると火災や爆発などの事故につながることもあり、処分ルールを正しく理解することがとても重要です。
この記事では、CB缶・OD缶と呼ばれる2種類のガス缶に絞って、安全かつ適切な捨て方を詳しく解説していきます。
CB缶・OD缶の基礎知識と分別ルール
CB缶・OD缶とは?


ガス缶とひとくちに言っても、実はいくつか種類があります。
この記事で対象とするのは以下の2種類:
缶の種類 | 主なガスの種類 | 特徴・主な用途 |
---|---|---|
CB缶(カセットボンベ) | ブタンガス | 安価で扱いやすく、家庭用カセットコンロや防災備蓄に最適。ただし低温では火力が落ちやすい。 |
OD缶(アウトドア缶) | イソブタン・プロパンの混合 | 低温や高所でも安定した火力を発揮。キャンプや登山など屋外での使用に適しているが、価格はやや高め。 |
中に充填されているガスの種類や性能にも違いがあるため、用途に応じて使い分けがされています。
しかし、処分の際にはいずれも「高圧ガス容器」であることに変わりなく、共通して注意が必要です。
なお、スプレー缶、ライター用ガス、業務用大型ボンベなどは対象外とします。
何ゴミで捨てる?自治体ルールをチェック

ガス缶の分類は自治体ごとに異なり、主に「スプレー缶類」「金属ごみ」「危険ごみ」などに分類されます。
以下に一部の例を示します。
自治体名 | 分別区分 | 穴あけの要否 | 出し方のポイント |
---|---|---|---|
東京都渋谷区 | 資源ごみ(金属類) | 不要 | 中身を使い切って出す |
札幌市 | スプレー缶類 | 不要(禁止) | 透明袋に分けて出す |
大阪市 | 危険ごみ | 不要 | 穴あけ禁止。中身の使い切りが必須 |
名古屋市 | 可燃ごみ(別袋) | 不要 | 他のスチール缶と分けて排出 |
安全な処分のために知っておくべきこと
穴あけ不要はなぜ?昔と今で変わった常識

かつては「穴を開けてから捨てる」というのが常識でしたが、現在はほとんどの自治体が穴あけ不要または禁止としています。
その背景には、以下のようなトラブルがあります:
- 収集車の中で爆発・火災が発生した
- 穴を開ける途中でガスが噴き出し、やけどした
安全上の理由から、今は「穴を開けずに、中身を使い切る」がスタンダードとなっています。
中身が残っていたら捨ててはダメ!
ガス缶に中身が残っていると、回収後に爆発や火災の原因になるため、多くの自治体で「中身を完全に使い切ってから出す」ことが義務付けられています。
中身が残っているかどうかは、次のように確認します:
- 振ってみて音がする → 液体ガスが残っている
- 缶の先端を軽く押して「シュー」と音が出る → ガスが残っている
どちらもなくなるまで、使用または自然排出(屋外・安全な場所で)を行いましょう。
安全に使い切るには?

安全に使い切るためには、以下の手順を守ることが大切です:
- 屋外で火の気のない場所で行う
- カセットコンロやバーナーに装着し、加熱調理などでガスを最後まで使う
- 使用後、しばらく放置して圧を抜く
【NG×】やってはいけないこと
これらはすべて爆発・火災のリスクが高く非常に危険です。必ず正しい手順で使い切ってください。
回収されたガス缶はどうなる?
ガス缶スチール製であり、中身を使い切って出されたガス缶は、金属リサイクル処理を経て鉄資源として再利用されます。
限りある金属資源を無駄にしないためにも、分別と適切な排出は私たちにできる身近な環境アクションです。
「使い切って出す」というルールが、資源循環と安全を両立させるカギとなるのです。
よくある誤解とトラブル防止策
スチール缶や他のごみと一緒にしてはいけない理由

見た目が金属だからといって、スチール缶(飲料缶など)と一緒に捨てるのは厳禁です。
- ガス缶には中身が残っている可能性がある
- 圧縮機や焼却炉で爆発や異常燃焼の原因になる
- 他のごみに混じっていると収集作業員のけがや火災の危険性も
だからこそ、多くの自治体では「ガス缶専用」の分別ルールを設けているのです。
再利用厳禁!!法律と安全面から解説
高圧ガス保安法により再充填はNG
CB缶・OD缶ともに、「使い切った後に再充填して再利用すること」は法律で禁止されています。
- 内部の劣化や腐食による爆発リスク
- 安全弁の作動不良
- 市販されているDIY再充填器具も違法・危険行為となる可能性あり
一部にある「アップサイクル」は?
空き缶を風防やランタンシェードなどに加工する人もいますが、これはあくまで装飾・クラフト用途です。
安全が担保されない限り、再使用は避けるべきです。
防災備蓄としての注意点

CB缶・OD缶は、災害時の調理や暖房手段として備蓄されることも多いアイテムです
ですが、ガス缶には使用推奨期限があり、長期間の保管には注意が必要です。
古いガス缶に潜むリスク

- 製造から時間が経つと、缶内部が劣化し、ガス漏れや爆発の危険性が高まる
- 安全弁の作動不良などで、火災事故につながる可能性も
- 一見問題がなくても、目に見えない腐食や変形が起きていることがある
安全に備蓄するために

- ガス缶の製造年月日(多くは缶底に記載)を確認し、おおむね7年を目安に使い切る
- 防災備蓄品は定期的にローテーションし、古いものから使う
- 湿気や高温になる場所を避け、風通しの良い場所で保管する
災害に備えるためのガス缶が、逆にリスクを招くことのないよう、日常からの管理と見直しを心がけましょう。
まとめ:あなたに合った捨てかたを
CB缶・OD缶の正しい処分には「穴を開けない」「中身を完全に使い切る」「分別ルールを守る」の3点が欠かせません。
スチール缶や不燃ごみに混ぜると事故の原因になるため、自治体の指示に従って正規の捨て方をすることが大切です。
正しく手放すことで、安心・安全な暮らしと資源循環に貢献できます。