【革(レザー)製品の捨てかた】鞄や財布は燃えるゴミ!?「リメイク」もお勧め
鞄や財布など身近なアイテムである革製品ですが、いざ捨てるとなるとどうすれば良いのか判断に迷割れるかたもいるのではないでしょうか。
愛着もあるしゴミ箱に投げ捨てるのも躊躇われて「とりあえずクローゼットの中で眠っている」ということもあるでしょう。
私自身も昔もらった財布や奮発して買ったレザーのバッグを捨てるに捨てれず困った経験があります。
結局全て燃えるゴミとして処分してしまったのですが、改めて調べてみると捨てかたによって環境負荷が軽減できたり、捨てずに「リメイク」という選択肢があったりと新たな学びがありました。
革製品を処分される前にこの記事を読んでいただけば、少し違った「捨てかた」を選択していただけるかもしれません。
より良い捨てかたの選択肢を提案できれば幸いです。
基本は燃えるゴミ。ただし付属品には注意。
革製品の捨てかたは自治体によって異なりますが、一般的には種類によって次の3つに分けられます。
- 可燃ゴミ:袋に入れてごみ収集へ
- 不燃ごみ:袋に入れてごみ収集へ
- 粗大ゴミ:収集依頼や持ち込みへ
以下でひとつづつ解説します。
革のみなら可燃ゴミ
皆さんイメージされるとおり、革製品は基本的には燃えるゴミとして捨てるところがほとんどです。
動物由来の革製品なので当然という感覚をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ただ、調べてみると意外と例外が多くて驚きました。
いくつかの自治体のHPで確認したところ、
というように、条件付きで燃えるゴミという場合がほとんどでした。
確かに、鞄や財布などの革製品といってもファスナーやボタン、ロゴプレートなどが付いていることがほとんどです。
当然、燃えるゴミとして出された金属類は、焼却施設でも燃えず、焼却灰と一緒に埋め立て処分されます。
それだけでなく、硬い金属が設備に挟まって損傷したりトラブルを起こすという事例も多いようです。
実は、ファスナーに沿ってハサミを入れると、意外と簡単に切り離すことができます。
1〜2分ほどでできるので、ぜひこのひと手間をかけてみてください。
それにしても、ハイブランドの革製品ほどギラっと金属ロゴが目立つ場合が多い気がします。
金額以外にもそういった点で捨てにくくしていますね(私見です)。
金属部が多いものは不燃ゴミとなる自治体も
当たり前ですが、付いている金属が多くなればそのぶん燃やすのが困難になります。
というか、金属は燃えずに出てきてしまいます。
一部の自治体では金属部分が多い革製品は不燃ごみとしているようです。
自治体によっては、不燃ゴミとして革製品と一緒に回収された金属部品を解体してリサイクルに回すという処理をされています。
一方で、不燃ごみとして集めてそのまま埋立処分となる場合もあるようです。
やはり、革製品を捨てる際は、できるだけ金属部分を取り外して、革は焼却、金属部はリサイクと分けて処理できるような「捨てかた」を心がけていきたいものです。
たまに表面に無数のトゲトゲが付いた鞄や靴を見かけますが、あのトゲトゲはなんなのでしょうか?
外敵から身を守るのでしょうか?
無駄にトゲトゲさせるくらい余裕があるなら、時間をかけてひとつ一つ取り外してから処分して欲しいものです。(私見です)
革製品でも大きいものは粗大ゴミ
多くの自治体では、たとえ金属部品を含んでいなくてもサイズの大きな革製品は粗大ゴミになります。
粗大ゴミとするべき条件は、「大きさが30cm以上」、「50cm以上」、「指定ゴミ袋に入らない場合」などそれぞれの自治体で決まっているので調べてみてください。
粗大ゴミに出す場合は、事前に申し込みのうえ自治体指定のシールをコンビニ等で購入し、指定日に指定場所に置いておけば回収してもらえます。
大きな革製品も、小さく切って指定ゴミ袋に入れれば可燃ゴミとして出すことができる場合が多いです。
回収手数料を支払うくらいなら、自分で解体するという方も多いのでは?
その際は、金属部品も切り離しておくようにしましょう。
自治体のごみ収集で革製品を捨てる場合は以上の捨てかたで処分できます。
まずは、お住まいの地域のルールをご確認ください。
もし、環境負荷の軽減や、より良い社会・未来の実現のためにもっと良い選択肢をお探しの方は以下の記事も読んでみてください。
よりサステナブルな方法をご提案します。
捨てないという選択:革製品のリメイクサービス
環境負荷を軽減し、より良い社会や未来につながるサステナブルな「革製品の捨てかた」とはどういうものでしょうか?
革(レザー)は本来サステナブル素材
革製品はその生産過程で問題が多いのも事実ですが、環境に配慮した製法で作られた良質のレザーはサステナブルな素材ともいえます。
その理由は次の通りです。
- 大部分の革は食肉の副産物であり、廃棄される皮をリサイクルしている。
- 資源の節約や廃棄物の削減にも貢献している
- 環境や動物に配慮した技術や認証制度も導入されている
適切に手入れされた革製品の寿命は数十年とも言われています。
良質の革は耐久性がありや経年変化も美しいので、長く使うことができます。
そこで、革製品の「リメイク」という方法を提案します。
革製品のリメイクサービス
革製品のリメイクサービスとは、既存の革製品を元に、新しい形や用途に変えるサービスです。
例えば、ランドセルの革を使って財布やポーチを作ったり、リュックの革を使ってトートバッグを作ったりすることができます。
革製品のリメイクサービスには、以下のような魅力があります。
- 風合いや思い出を引き継ぐことができる
- 自分らしさを表現できる
- 世界で一つだけのアイテムが作れる
使用しなくなったら捨てるのではなく、良質な革製品を大切に長く使い、好みや状況に合わせてリメイクしながら一緒に歳をとっていくというエイジングの考え方もいかがでしょうか。
Livelty TOKYO
自分の好みに合わせてカラーやデザインをカスタマイズ可能な、オーダーメイドのレザーアイテムを作ってくれるショップです。
熟練職人による縫製で品質にも自信ありというこちらのショップでは、自社製品以外でも修理やリメイクのサービスを提供してくれています。
技術的のある職人さんによって作られるアイテムは、どれも高級感があり魅力的に見えます。
他の人とは違うものを持ちたい、人とはかぶりたくない、など、こだわりをお持ちの方や、良いものを持ちたいとお考えの方はぜひ公式HPを覗いてみてください。
革マルシェ
”革の未来を変える”を掲げられている、東京錦糸町に店舗を構えられたショップです。
有限な資源である革製品を修理やリメイクをしながら、思い出と共に紡いでいくというコンセプトには非常に共感できます。
リメイクの事例として、ヴィトンのボストンバッグからリュックへという事例もあり、ガラッと雰囲気も変えて、新品を手にしたような満足感も得られそうです。
思い出込みで、新品以上の価値を得られるでしょう。
気になる方は下記公式HPを確認してみてください。
もちろんリメイクだけでなく、こだわりを持って製造されたオリジナルの革製品も多数ありますので、お好みのアイテムが見つかるかもしれません。
土屋鞄のランドセルリメイク
土屋鞄のランドセルというと、憧れの対象としてパパママに認知されているのではないでしょうか?
そんな6年間使い込んだランドセルを、記念品としてのミニチュアランドセルや、実用的でお洒落なペンケースやカードケースなどにリメイクしてくれるサービスを展開しています。
土屋鞄製のランドセルに限定されているので、なかなか皆さんにお勧めできるものではありませんが、HPを見てもらえればわかるように、リメイク品のクオリティもかなり高いです。
中学校へ上がったタイミングで、ランドセルリメイクの革のペンケースや、電車通学の場合のパスケースなどを改めて贈るというのも素敵です。
リメイクまで見据えて土屋鞄のランドセルを選ばれる方もいるのだとか。
お子さんへの特別な贈り物として検討されてみては如何でしょうか。
我が家も土屋鞄のランドセルに憧れていて、子供ができる前にお店まで見にいったことがありました。
リメイクサービスというのを知って、ますます欲しくなりましたが、如何せん高級品ですからね。。
それでも欲しいと思えるのだから、革製品は用途そのものより思い出要素も強いものなのでしょう。
その点でも「リメイク」は良い選択だと思います。
おまけ:革製品廃棄の問題点「革は土には還らない」
ところで、革製品はもともと動物由来の天然素材なんだから、わざわざ焼却しなくても土に還せば良いのでは?と思いませんか?
そう思って調べてみると、そう簡単なものではないということがわかりました。
革はなめし加工で腐食しにくくしている
革のなめし加工とは、動物の皮を腐らないようにし、革製品に使える素材にする工程のことです。
これにより、「生もの」である皮に
- 耐熱性
- 耐腐食性
- 柔軟性
などの性質を付加して、製品として使える革になります。
なめし加工には、植物由来のタンニンや化学物質のクロムなどをなめし剤として使います。
特にクロムなめしは、クロムが水質汚染の原因になることが指摘されており、革製品に含まれるそれらの成分が土壌中に流出して汚染することは避けなければなりません。
そのような背景もあり、製品として加工された後の革は分解されにくく、土に還ることは困難です。
自然由来といえど、一度人間が使いやすいように加工したことで、簡単に土に返すとことはできなくなってしまうというのは、やりきれない話です。
革製品を使うときは、その素材や製法についても気にかけ良い選択をしたいものです。
動物愛護の観点からも革製品には否定的な意見も多く、革製品の業界そのものが課題を抱えているという状況も見えてきました。
選びかた:より良い製品を長く使う
革製品の捨てかたを考える前に、革製品の選びかたを考えることも大切です。
良いものを選択し長く使うことで、捨てる必要がなくなったり、環境負荷が低くなったりすることがあります。
次に革製品を買い換える際は、以下のような製品も検討してみてはいかがでしょうか。
ジビエレザー:自然の恵みを感じるレザー
ジビエレザーとは、鹿や猪、熊などの野生の動物の皮をレザーとして活用しているもののことです。
害獣として駆除されるものや、害獣対策で食肉用として利用される野生動物の皮が活用されていることが特徴です。
ジビエレザーには、以下のようなメリットがあります。
ジビエレザーを扱う店舗は、全国にいくつかありネットショップも多数あるので、お近くのショップを調べてみてください。
ジビエレザーは、駆除された命を大切に使い切るという想いが込められた、サステナブルなレザーです。
ジビエレザーの魅力を知って、新たなもの選びの視野と選択肢を広げてみませんか?
地元の鹿レザーで作った革小物のショップというものを見つけました。今度帰省した際に立ち寄ってみたいと思っています。
エコレザー:環境配慮認定
エコレザーとは、環境に配慮して生産された革のことで、天然皮革や再利用革などがあります。
合成皮革やフェイクレザーではなく、あくまで環境に配慮した本革であるという点が重要です。
日本エコレザー基準認定事業のHPによると、以下のような基準を満たしている革がエコレザーとして認定されています。
「日本エコレザー基準(JES)」に適合し、「製品の製造・輸送・販売・再利用」までの一連のライフサイクルのなかで、環境負荷を減らすことに配慮し、環境面への影響が少ないと認められる革材料のことを指しています。
日本エコレザー基準(JES)の主な認定要件は下記の3つです。
引用元:日本エコレザー基準認定事業HP エコレザーとは|ecoleather (jlia.or.jp)
- 天然皮革であること。
- 排水、廃棄物処理が適正に管理された工場で製造された革であること。
- 臭気、化学物質(ホルムアルデヒド・重金属・PCP・禁止アゾ染料・発がん性染料の使用制限)および染色摩擦堅ろう度に関する一定の基準を満たしていること。
基準(JES)に適合したエコレザーは、「日本エコレザー基準認定ラベル」を表示されます。
革製品購入の際はぜひ意識してチェックしてみてください。
意識的にエコレザー製品を選ぶようにすると、良いものを手に入れると同時に環境貢献もできるという一石二鳥です。
エコレザーを使った革製品は、多くのショッピングサイトで購入できます。
自然の恵みである革製品ですから、環境にやさしい選択によってより満足感も高まるのではないでしょうか。
まとめ
この記事では、「革製品の捨て方」について紹介しました。
多くの革製品が焼却処分されてしまう現状に対し、リメイクサービスやより環境負荷の低い革製品の情報をまとめました。
良いものを丁寧に手入れをしながら長く使うことで深みが出てより一層愛着が湧く、そういったところが革製品の魅力だと思います。
「革製品の捨てかた」そして「選びかた」に選択肢を持っていただくことで、豊かな未来に少しでも貢献できれば幸いです。