【革(レザー)の捨てかた】鞄や財布は燃えるごみ?捨てずに「リメイク」も

季節の入れ替えや引っ越しで見直すとき、革のトートやショルダー、ビジネスバッグの扱いに迷いがちです。
革は燃える素材ですが、バッグはサイズや金具の有無で区分が変わります。
さらに、ハイブランドは捨てるより活かす選択肢が現実的です。
本記事では、まず迷わないための基準(捨てかた)を確認し、次に回収後の行方(ゴミ箱の向こう側)をさっと押さえ、最後に“捨てない選択(choice)”として修理・買取・寄付の手段まで紹介します。
レザー(革バッグ)は何ゴミ?まずは基本の捨てかた
日常でいちばん迷うのは「燃える?粗大?」の線引きです。
多くの自治体ではサイズ(指定袋に収まるか)と金具の大きさで判断が分かれます。
まずはざっくりの基準を押さえてから、主要都市の例に当てはめていきましょう。
最初の分かれ道は「可燃(燃やすごみ)」か「粗大ごみ」。
多くの自治体で、指定袋に入るサイズ=可燃、入らない=粗大の運用です(例外あり)。
金属金具は少量なら付いたまま可の例が多い一方、大きな金具やフレームは分別(不燃)や粗大扱いになることがあります。
最終判断はお住まいの自治体の一次情報でご確認ください。
主要都市の分別区分(例)


まずは代表的な自治体を横並びにして自分の地域との差を把握しましょう。
備考欄の「サイズ」「金具」「手数料」も判断のカギです。
自治体 | 区分 | 備考・出典の要点 |
---|---|---|
東京都23区(例:渋谷区) | 30cm角超は粗大ごみ(申込・有料)/小型は可燃 | 「革製品」「かばん」等は30cm超で粗大=400円との品目表。小型は可燃の運用。出典は区の品目表・分別一覧。 |
新宿区 | かばん(布・革・ビニール)=燃やすごみ/各辺30cm超は粗大 | 分別辞典に明記。サイズ基準の注記あり。 |
大阪市 | バッグ=普通ごみ(中身空)/最大辺30cm超は粗大 | 品目別一覧に明記。 |
名古屋市 | 革・ゴム=可燃(指定袋)/30cm超は大きさにより粗大 | 市の英語版ガイドで「Leather=Burnable」。 |
札幌市 | 革靴=燃やせるごみ、大型は大型ごみ | 品目辞典で革・合皮の靴は可燃。バッグも小型は可燃が基本、キャリー等大型は大型ごみ。 |



出し方の基本(可燃/粗大 共通)
申し込みや搬出の前に、これだけ整えておくと当日がスムーズです。
集合住宅は管理規約、戸建ては天候と飛散対策を意識しましょう。
- 中身は空に
- アクセサリー・電池・磁気カード等は取り外し
- サイズ確認
- 長さや厚みが指定袋に収まるかを確認(収まらない場合は粗大)
- 外せる金具は取り外し
- チャーム・カラビナ・大きなバックル・マグネットなどは取り外して不燃ごみや金属のルールへ
- 強力磁石(ネオジム等)に注意
- 可能なら取り外して「磁石の捨てかた」へ(強い吸着力に注意)
- ポケットのレシート・名刺・ICカードなど個人情報を空に
- 付属品(箱・保存袋・ギャランティ・ショルダーストラップ)をひとまとめに
- におい・カビ・ベタつきの有無を確認(強い場合はリユース無理をしない)
- 金具の状態(尖り・割れ)を簡易養生

なぜ「可燃」または「粗大」なのか?
同じ“革”でも扱いが分かれるのは、素材の性質と処理工程の安全性が理由です。
現場のラインに合わせた運用を知ると、迷いが減ります。
- 素材特性
- 天然皮革=コラーゲン主体の有機物で可燃性。
- 多くの自治体で小型は燃やすごみの対象。
- 工程安全
- バッグは絡みやすく嵩高いため、指定袋に入らない大きさは粗大系の破砕ラインで前処理→焼却へ。
- 付属品
- 小さな金具やファスナーは容認されやすいが、大型フレームは不燃/粗大に。

本革と合皮(PU/PVC)のちがい
見た目が似ていても、劣化のしかたと回復の余地は大きく異なります。
まず「本革か/合皮(PU・PVC)か」を切り分けるだけで、直す・売る・捨てるの判断がぐっと楽になります。
品質表示タグや手触り・においも手掛かりに、次の目安を確認しましょう。
- 本革
- 乾拭き・ブラッシング・保湿で回復余地あり。
- 色移りやスレは補色・再染で改善することも。
- 合皮(PU)
- 経年で加水分解(ベタつき・剥離)が起きやすく、修理・リユース不可のケースが多い。
- 潔く可燃/粗大を選ぶ判断も大切。
- PVC系
- 汚れは拭き取りやすいが、硬化・ひびは進行しやすい。

回収されたその後は?(ゴミ箱の向こう側)
処理の行き先をイメージできると、可燃で出すか・粗大に回すかの判断にも納得が生まれます。
ざっくりと流れを押さえましょう。
- 可燃で出した小型バッグ
- 一般可燃ラインへ→焼却(熱回収・発電併用の施設もあり)
- 粗大で出した大型バッグ
- 破砕・選別→可燃分は焼却、金属は磁選で資源回収
革は燃え残りが少なく焼却適性は高めですが、素材価値を燃やすロスも生じます。
ハイブランドや状態良好なものは、次章の“捨てない選択”を優先しましょう。


捨てる以外の選択肢はある?(choice)
素材価値・ブランド価値・状態で最適ルートが変わります。
まず修理可否→次に売れるか→難しければ寄付・リメイクの順で考えると迷いにくくなります。
- ブランド × 付属品あり × 目立つダメージなし
- 買取(相見積もり)へ
- 軽微な破れ・糸ほつれ
- 修理見積 → OKなら延命、NGなら買取 or 粗大
- ベタつき(内装PU)・カビ
- リユースは無理せず可燃/粗大へ
1) 修理・メンテ(まず“直して使う”)

捨てる前に直せるかを先に確認すると選択肢が広がります。
正規修理は品質と見積の透明性が高く、難しければ町の工房で解決できる場合もあります。
費用と愛着のバランスで判断しましょう。
- メーカー正規修理
- COACH などは自社リペア拠点で修理受付(公式サポートで案内)。
- 専門工房
- 正規で断られた場合も、縫製・補強・染め直し等を受ける工房が多数。
- 判断の目安
- 型崩れや小破損は修理向き。
- 内装のベタつき(加水分解)は可否を要相談。
2) リユース(買取・委託・フリマ)
価値が残っているなら、処分費ゼロどころかプラスにできる可能性があります。
手間と納得価格のバランスを見ながら、あなたに合う窓口を選びましょう。
- 総合リユース店
- KOMEHYO、セカンドストリート等は店頭/宅配/出張で査定可。
- 高額帯はブランド専門が有利。
- 宅配買取
- ブランディア等は箱キット送付→査定→入金がワンストップ。
- 傷ありでも可の基準あり。
- フリマ
- メルカリ・ラクマ等は撮影・梱包・やり取りの手間と引き換えに納得価格に近づける選択。
- 付属品を揃える(保存袋・箱・保証書・ショルダー)
- 簡易クリーニング(乾拭き・ブラッシングのみ)※溶剤は厳禁
- 相見積もりで相場感を掴む(1社目で即決しない)
3) 寄付・譲渡・リメイク
売れない・直せないときでも、活かす道は残っています。
相手の受け取り条件に沿って、無理のない形で手放しましょう。
- 寄付
- 状態良好・におい少・ブランドタグ等が目安。
- 団体ごとの受付基準を要確認。
- 譲渡
- 地域SNS/知人へ。
- サイズ・重さ・匂いの情報を明記。
- リメイク
- 持ち手→キーホルダー、パッチワーク小物など少量で達成感のある再利用に限定すると続けやすい。



おすすめのサービス紹介
“どこに出すか”は目的別の相性で決めると失敗しにくいです。
選び方→候補の順で、必要最低限だけをコンパクトにまとめます。
条件・対象は変動します。
最新の受付可否・エリア・査定基準は各社公式でご確認ください。

- メーカー正規修理の確認
- まず所有ブランドの公式サポートページへ(受付可否/期間/費用)。
- リユース査定の大手:
- KOMEHYO(店頭・宅配・出張)…ハイブランドに強い。
- セカンドストリート(店頭・宅配・出張)…取扱いブランド幅広い。
- ブランディア(宅配)…箱キットで完結、傷あり可の基準を明示。
自治体回収と民間回収どっち向き?
費用・労力・スピードの三点比較で自分事に落とし込みましょう。
ざっと違いを見てから当てはめます。
観点 | 自治体の粗大ごみ | 民間回収サービス |
コスト | 数百円台が中心 | 見積制(点数・階段・即日等で変動) |
手間 | 自分で搬出・所定日に排出 | 室内から搬出可・最短即日あり |
価値回収 | 不可(処分のみ) | 可(買取併用や売却が可能な場合あり) |
相性 | 単品・急がない・費用最優先 | 量が多い・急ぎ・屋内搬出が難しい |
レザーを選ぶときに考えたいこと(次の買い替えの前に)
次の買い替えで後悔しないために、買う前のチェックポイントを先に決めておくと安心です。
“最後にどう手放すか”までイメージすると選択が変わります。
- 修理受付の有無(正規/工房のどちらでも)
- 内装素材の劣化傾向(ポリウレタン内装は加水分解に注意)
- 金具の大きさ・量(最終的な分別に影響)
- 重さ・サイズ(指定袋に収まる=捨てやすい)
まとめ:あなたに合った方法で手放そう
最後に、判断の基準だけを一気に振り返ります。
ここまで読めば、今日このあとに取るべき一歩が明確になるはずです。
迷ったらお住まいの自治体の一次情報に戻る──これが最終の確認ポイントです。
- 小型は可燃、大型は粗大が基本(最終判断は自治体一次情報)
- ハイブランドや状態良好は“捨てない”が得(修理・買取・譲渡)
- 無理に分解せず、安全第一・ルール準拠で
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