【サンダルの捨てかた】素材はなに?燃えるゴミ?不燃ごみ?リサイクルプログラムも!
この記事では、サンダルの材質を調査し適切な捨てかたを紹介します。
一口にサンダルと言っても、最近では形や材質、役割まで大きく多様化していてきました。
ビーチサンダルのようなペラペラのものから、アウトドアメーカーが出す機能性に富んだもの、ファッション性を重視した厚底のブランド品まで、その選択肢は広がりを見せています。
また、クロックスのような一見よくわからない素材を使用したサンダルも登場し、それぞれに適した捨てかたが求められる一方で、その材質や処理方法を知る機会は少ないでしょう。
加えて、メーカが取り組んでいるサンダルの回収サービスやサステナブルなサンダル製品についても紹介しますので、捨てかたを起点に持続可能な消費行動へと繋げる一歩になれば幸いです。
サンダルの種類と材質
まずはサンダルの種類と材質について整理していきます。
サンダルの種類と特徴
ビーチサンダル
- 特徴:水濡れに強い素材で作られ、主にビーチで履くためのサンダル。鼻緒タイプが一般的。
- 材質:ゴム、プラスチック、EVA樹脂など
- 例:Havaianas(ハワイアナス)、Ipanema(イパネマ)
クロックス
- 特徴: 軽量で快適な履き心地。そのシンプルで実用的なデザインも魅力で一気に市民権を得た。
- 材質: EVA樹脂(クロスライト™)
アウトドア/スポーツサンダル
- 特徴: 屋外レジャー向けの丈夫なサンダル。ソールが厚く、滑りにくい点が特徴。最近は街中で見かけることも多い。
- 材質: ラバー、EVA樹脂、ナイロンなど
- 例: KEEN(キーン)、TEVA、NIKEなど
ファッションサンダル
- 特徴: 履き心地を重視したサンダル。安定性と快適さを提供。夏のファッションアイテムとして人気。
- 材質: 革、スエード、EVA樹脂など。
- 例: BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)など
EVA樹脂とは?
主なサンダルの材質をまとめる中で、ゴムやビニルは何となくイメージできますが、EVA樹脂という見慣れないものが出てきました。
多くのサンダルに採用されているEVA樹脂について、すこし深掘ってみます。
EVA樹脂の特徴
EVA樹脂は「エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂」の略称で、プラスチックの一種だそうです。
軽量でありながら弾力性があり衝撃吸収性にも優れているため、サンダルのソールなどに広く利用されています。
塩素を含まないため燃焼時に有害物質をほとんど発生せず環境に優しいというのも、よく使われる理由のようです。
確かにそう言われてみると、子供用マットやおもちゃなどとしても日常的に見かけます。
捨てかたを考えるにしても知らないことには始まりませんし、知っているからこそ出てくる選択肢もあるでしょう。
これを踏まえて捨てかたについてみていきましょう。
サンダルの分別と捨てかた:基本は燃えるゴミ
結論から言うと、サンダルは基本的に燃えるゴミになります。
サンダルの主な材料であるゴム、樹脂、ビニルなどは、現代の焼却施設で適切に焼却されることで環境への影響を最小限に抑えることができます。
燃やして大丈夫なの?
過去には、ゴムやビニル、樹脂類を燃やすことに対して否定的なイメージがありました。
しかし、現代では焼却施設の技術が進歩し、これらの材質を含む廃棄物の焼却処理が推奨されています。
適切に管理された焼却施設では、高温での燃焼と厳格な排出ガスの処理によりダイオキシンなどの有害物質はほとんど排出されません。
- ゴム:
- 天然ゴムは焼却時には有害なガスを発生させる可能性があるが、適切な処理がされれば問題ない。
- 合成ゴムは石油由来の成分であり、焼却処理によって熱エネルギーを回収することができる。
- 合成樹脂(プラスチック):
- 焼却処理によってエネルギー回収が可能。
- 現代の焼却技術では、ダイオキシンなどの有害物質の発生を抑制することができるため、環境への影響を最小限に抑えながらエネルギーを回収することができる
- ビニル類:
- 不適切な燃焼だとダイオキシン類が発生しやすいが、適切な温度条件下で燃焼させることで発生は抑制できる。
逆に、人工物質である合成ゴムやビニル、樹脂類は自然の中で放っておいても分解されずにずっと残ってしまいます。
ゴムやビニル、樹脂類を含むサンダルは、燃えるゴミとして適切に捨てることで、これらの材質の適切な処理に繋がり環境保護に貢献します。
この構造はマイクロプラスチック問題も同じです。
マイクロプラスチックも、適切に捨てられなかったものが海など自然の中に流れ着いて残ってしまうことが問題なのであって、
焼却なりリサイクルなり、ちゃんと捨ててちゃんと処理すれば良いだけの話なのです。
ファッションサンダルなどは一部革が使われていたりします。革製品の捨てかたについては下記記事もご覧ください。
回収サービスとリサイクルプログラム
燃えるゴミとして捨てれば、環境への影響は最小限に処理されることはわかりました。
でも、結局燃やすだけというのでは当サイトで取り上げる意味がありません。
ここでは、ゴミ箱に捨てる以外の選択肢としてメーカや団体が提供しているサンダルの回収・リサイクルサービスについて紹介します。
Tevaのサステナビリティ:TevaForeverプログラム
まず、アウトドアサンダルで知られるTevaが展開する、革新的なリサイクルプログラム「TevaForever」について紹介します。
TevaForeverプログラムの概要
Tevaはサンダルのストラップ素材を100%リサイクルプラスチックに変更するなど、製品のライフサイクル全体を通じて持続可能な製品作りに取り組んでいます。
その中でTevaForeverプログラムは、消費者が直接参加できるサステナビリティへのアプローチとして、使用済みのサンダルをリサイクルして新たな資源に生まれ変わらせることで廃棄物を削減することを目的としています。
TevaForeverプログラムへの参加方法
TevaForeverプログラムへの参加は簡単です。以下の手順に従ってください:
- 使用済みのTevaサンダルを集める:
- オープントゥのサンダルのみが回収対象
- 目立つ汚れは取り除く
- Teva直営店へ持参する(近隣に店舗がある場合):
- 回収対象のサンダルをTeva直営店に持っていくことで引き取ってくれます
- WEBで申請して送付する:
- 店舗への持ち込みが難しい場合はTerraCycleアカウントを作成して申請ページから必要情報を記入し、サンダルを送付する
- テラサイクルポイントを獲得:
- 回収量に応じてテラサイクルポイントが付与され寄付金に換金される
- 寄付金は海ごみ問題の解決に取り組む一般社団法人JEANへ寄付される
詳細は、TEVA公式サイトをご覧ください。
TEVA製品のご紹介
最後にせっかくなのでサステナビリティに配慮したTEVA製品をご紹介します。
定番のハリケーンシリーズもストラップが100%再生素材で作られています。足元からサステナビリティへの一歩を踏み出しましょう。
チヨダの靴の下取りキャンペーン
シュープラザや東京靴流通センターを運営する株式会社チヨダでも、持続可能な社会づくりに貢献するため「靴の下取りキャンペーン」を実施しています。
このキャンペーンは、履かなくなった靴をリサイクルし新しい靴をお得に購入できる素晴らしい機会を提供しています。
キャンペーンの概要
- 下取り対象:
- 自社・他社の靴を問わず
- ビジネスシューズ・スニーカー・長靴・パンプスなど。サンダルもOK
- 不要な靴、サイズの合わなくなった靴、壊れた靴でもOK
- 割引券:がもらえる:
- 下取り1足につき200円(税込)分の割引券がもらえます
- 利用可能店舗:
- シュープラザ、東京靴流通センター、靴チヨダなど
- 回収した靴はサーマルリサイクル:
- 下取りされた靴の一部はサーマルリサイクルにより、熱エネルギーとして再利用されます
キャンペーンの注意点
- 下取り上限:
- お一人様5足まで
- 割引券の上限:
- 割引券は配布が無くなり次第終了
- 対象外店舗:
- 一部店舗では下取りを実施していませんので、事前確認が必要。
- 割引券利用条件:
- 1足2,200円(税込)以上の商品に対し、商品価格2,200円(税込)毎に割引券1枚利用可能
回収サービスまとめ
これらのキャンペーンを活用することで、サンダルをゴミ箱に捨てるのではなく資源として有効に再利用することができます。
私たちが日常的に行う捨てるという行為でどんな選択をするかが、地球環境に対する小さな積み重ねになるでしょう。
これらのキャンペーンを通じて、私たち一人一人がサステナブルな行動をとることがでますので、ぜひご検討ください。
ここまで調べてみて、思ったほど製品回収プログラムが充実していなというのが正直な感想です。
メーカ各社のHPを覗いてみましたが、生産時のリサイクル原料使用やカーボンフットプリントについてはアピールしていても、その製品をどうやって再利用するか、という点はあまり記載がありません。
クロックスなどはあ単一素材っぽいので、取り扱いもやりやすそうなのですが、なぜなのでしょうね?
捨てかたを起点に製品のライフサイクルを考えるという当サイトのコンセプト、ぜひ浸透すれば良いと思うのですが。。
サンダルとサステナビリティ
サンダル回収のプログラムがあまり無かったことに苦言を呈してしまいましたが、もちろんメーカ各社、サステナビリティの実現に向けて様々取り組まれています。
特に素材選びや製造工程については、リサイクル原料の使用やゼロカーボン的な思想が浸透してきていますので、本章ではそんな環境配慮方のサンダルの選択肢について紹介します。
クロックスのサステナビリティ
数年前からの爆発的な拡散を経て、今ではすっかりと日常使いのサンダルとして市民権を得たクロックスですが、環境への配慮とサステナビリティへの取り組みもこのブランドの大きな特徴の一つです。
環境に良い選択をしたいと考えている方にとっても、クロックスは理想的な選択と言えるでしょう。
クロックスのバイオベース素材「クロスライト™」
前段でも少し触れましたが、クロックスは合成樹脂素材の「クロスライト™」でできています。
この素材はクロックスならではの快適さを実現しつつも、バイオ循環性廃棄物と副産物を使うことで廃棄物やCO2排出量を抑えることができる、クロックス独自開発のすごい素材だそうです。
加えて、2021年からはクロックスは製品へのあらゆる動物由来素材の使用を廃止し、100%ビーガンの製品を提供するようになりました。
地球環境に加えて動物福祉にも配慮した製品作りをしています。
エコ&ライトな包装
クロックスを買ったことがある方はわかると思いますが、クロックスは箱ではなく簡易包装で持ち帰ることができます。
ここにもクロックスの環境配慮思想が反映されていて、ポリバッグで商品を包装することでシューズボックスと比べて二酸化炭素排出量を85%削減できるそうです。
さらにこれらのバッグは100%リサイクル素材から作られており、環境への影響を減らす取り組みに貢献しています。
クロックスのサステナブルな製品
ほぼ単一素材で作られているからこそ、シンプルで飽きのこないデザインが魅力のクロックス製品は、どれをとっても一様にサステナブルなのだそうです。
最近はビーチサンダル型から厚底、キャラクターコラボのものまで、いろんな種類のクロックスがあり、選ぶだけでも楽しいです。
ぜひ、お気に入りの一足を丁寧に長く使うことを心がけてください。
KEEN: アウトドアから日常まで地球に優しい選択を
こちらも数年前から一気に認知度を高め、今ではアウトドアサンダルといえばという地位にまで上り詰めた感のあるKEENもサステナビリティに力を入れています。
KEENのサステナビリティへの取り組み
KEENはアウトドアフットウェアブランドとして、製品が踏み立つフィールドである地球環境を守るための活動に力を入れています。
- KEEN EFFECT:
- KEENは「地球と人にやさしいツクリカタ」「地球を守ろう」「みんなで世界をポジティブに」という3つの柱を掲げています。
- サステナブルな素材の選定:
- リサイクルされたPETボトルから作られたポリエステル
- レザー製品には、LWG認定品のみ使用するなど、持続可能な供給源からの素材を使用
- 有害な化学物質を含まないPFCフリーの素材を使用しており、水をはじく機能を持つ製品においても環境へ配慮
- 製品のデザイン:
- 長持ちすることを重視したデザインにより廃棄物の削減にも寄与
- 修理しやすい構造を取り入れることで、製品の寿命を延長
KEENのサンダルが選ばれる理由
KEENのサンダルはその独特なデザインと機能性、汎用性の高さで人気です。
アウトドアでの使用に耐え得るタフな作りに加えて、少しアクセントのある特徴的なデザインからシティでもファッションの一部としてよく溶け込みます。
ソールがしっかりしているので、軽いトレッキング程度なら十分こなせてしまいます。
1足でなんでもこなせるということは持ち物を減らしてシンプルにというミニマリズムにも通じ、日常的に地球に優しい選択をしたいと考えている方々にとって、KEENのサンダルは理想的な選択肢になり得ます。
実は私もかれこれ5年以上KEENのニューポートH2というサンダルを愛用しています。
海でも川でも山でも街でもOKという汎用性から、夏場のお出かけはほぼKEENです。
海外旅行でも重宝していて、ビーチはもちろんネパールで山歩きをした時の相棒もKEENでした。
そのくらい、タフで安心感があります。
KEENのサステナブルな製品
ニューポート サンダル: KEENのアイコン的存在であり、ウォーターフロントでの利用を想定していますが、海や川、山や街中でも使える多目的サンダルです。
ユニーク: 2本のコードと1枚のソールから作られたオープンエア・スニーカーで、独特のフィット感とデザインが特徴です。
Gurus Japan: 地球に優しい歩みを提案するサンダル
Gurus Japanというメーカから、「生分解性の天然ゴムを100%使用したサンダル」が販売されています。
このサンダルは、天然ゴムの木から採取された天然素材を使用しており、使用後に土に埋めると約3~5年で自然に分解されます。
これにより、環境への負荷を大幅に削減し地球の自然循環に貢献しています。
Gurusサンダルのデザインと快適性
Gurusのサンダルはただサステナブルというだけでなく、天然ゴムの強度と反発性にお生かして長く愛用できる耐久性と快適な履き心地を提供してくれます。
鼻緒やベルトの違和感を極力排除したデザインがされていて、ビーチサンダルの一般的な問題点である「痛み」「かゆみ」「脱げやすい」という欠点がカバーされているとのこと。
この点も、長く履けるという意味でサステナブルな製品です。
環境保全活動への取り組み
また、Gurus Japanは、1足のサンダルが売れるごとに1本の木を植樹するなど、環境保全活動にも積極的に取り組んでいます。
このサンダルを購入することが直接的に環境保護に貢献することにつながるというモチベーションも、購入の動機になるのではないでしょうか。
まとめ
たかがサンダルですが、その捨てかたを見直すことは私たちの環境に対する小さな一歩であり、積もり積もって大きな影響を及ぼします。
素材からしてよく分からない、という状況では何ともアクションしようがないですが、こうして材質から学ぶことで少しとっつきやすくなったのではないでしょうか。
また、捨てかたの前に選びかたということで、サステナブルなサンダル製品についても紹介しました。
この記事が、サンダルの捨てかたと選びかたに対する新たな視点を提供し、皆さんの行動を変えるきっかけになれば幸いです。