【充電ケーブルの捨てかた】ケーブルは不燃ごみ?小型家電回収ボックスへ
電子機器を買ったらついてくる付属ケーブルや機種ごとの充電ケーブルなど、つい溜まりがちになって処分に困ることもあると思います。
最近だと、iPhoneの充電がUSB-Cに対応したことでLightningケーブルがお役御免になったという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自治体のルールに従った捨て方から、環境に優しい選択肢まで、充電ケーブルの正しい処分方法について解説します。
自治体の分別ルール:小型家電回収or不燃ごみ
あまり知られていませんが、本来は充電器やバッテリー類と同様に「小型家電リサイクル法」の対象として専用の回収ボックスに入れることができます。
できるだけ回収ボックスへ持ち込むようにしましょう。
小型家電回収ボックス
小型家電回収ボックスとは、使用済みの小型家電を回収するために設置された公共の回収箱です。
専用の回収ボックスの投入口(30cm×15cm)に入るものであれば、 携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機、パソコン、パソコン周辺機器のほか、ケーブル類なども回収の対象です。
市役所や清掃センターといった自治体施設のほか、家電量販店やスーパーといった一部の小売店などに設置されていて、何かのついでに不用品を捨てることができますので積極的に利用しましょう。
小型家電にはレアメタルなどの希少な金属が含まれていて、ケーブルにも銅やアルミ等が使われています。
これらを有効に回収しリサイクルするための法律として「小型家電リサイクル法」というのも定められています。
小型家電回収ボックスを利用することで資源の有効活用と環境保護に貢献できますので、ぜひ活用しましょう。
日本で1年間に使用済みとなる小型家電は65万トン、そのうち有用な金属は28万トン(金額にして年間約844億円分)といわれています。
小型家電リサイクル法とは – 一般社団法人 小型家電リサイクル協会 (sweee.jp)
日本だけでも相当量の小型家電が廃棄されているようです。これらを焼却してしまうのか、集めてリサイクルするのかは、捨てる我々の行動選択にかかっているということです。
分別ルールでは充電ケーブルは不燃ごみ
回収ボックスが近くに無い、わざわざ持ち込むのは面倒という方もいるでしょう。
その場合、多くの自治体では、充電ケーブル類は「燃えないごみ」や「不燃ごみ」に分類されます。
充電ケーブルを不燃ゴミとして出す際の要領と注意点は以下の通りです。
- 適当な大きさにまとめる
- ケーブルが散乱すると危険なので、軽く結ぶ、紐やテープで止めるなどで、適当な大きさにまとめるようにしましょう。
- 専用の袋に入れる
- 自治体によっては不燃ゴミ専用の袋に入れる必要があります。
- 指定袋はなくても、「中身が見える袋に入れる」といったルールがある場合があります。
- 長さに注意
- 長さが30cm以上のケーブルは、粗大ごみとして扱われる場合があるので注意が必要です。
自治体によって考え方が違う?
ケーブルの捨てかたについて、いくつかの自治体のHPで確認しました
- 東京23区:不燃ゴミ
- 横浜市:燃えるゴミ
といったように、自治体によってケーブル類の分別に対する考えが異なる場合があるようです。
東京都の場合は、分別表の中で「小型家電回収(拠点回収)」と「不燃ゴミ」が併記してありました。
おそらく、他の小型家電類も不燃ゴミとして一括で集めたのち、再度仕分けして適切に家電リサイクル等に回しているのだと思われます。
拠点回収箇所が十分に確保できないなど、大規模自治体特有の事情もあるのかもしれませんし、集まる量が多いため一括収集して分別する方が効率が良いのかもしれません。
一方で横浜市の分別ルールだと小型家電はあくまで拠点回収がベースで、不燃ゴミとしての回収は不可です。
ケーブルに関しては、回収ボックスなどの拠点回収を推奨しつつ分別区分は「可燃ごみ」と記載されています。
「あくまで小型家電として回収したいが、どうしても捨てたい場合は燃えるゴミにしてください」といったところなのでしょうか。
ケーブルが燃えるゴミ?と思うかも知れませんが、ケーブルを構成する樹脂やビニル類を安全に処理するには焼却することが有効です。
焼却後に残渣から金属回収するというような手法や設備もあるようで、一概に燃やして埋め立てというものでもないようです。
このように、各自治体によって分別に対する考え方が異なる場合もあるので、お住まいの地域の分別ルールを確認して処分するようにしましょう。
他にもあるケーブルの捨てかた
自治体施設や量販店の小型家電回収ボックスの他にも、ケーブル類を持ち込んで処分できる場所があります。
それが、ケータイショップ。
ドコモやKDDI、SoftBankといったケータイキャリアでも、全国のショップで携帯電話や関連アクセサリーを回収しています。
充電ケーブルも対象となっており、店舗に回収ボックスが設置してあったりスタッフの方に渡すことで引き取ってもらえます。
駅前や大きな通りに面した路面店など、ちょっと寄るのに適した場所にある場合が多いので、使いやすいのではないでしょうか。
お近くのケータイショップへの持ち込みも選択肢に入れてみてください。
環境に優しい充電:サステナブルな充電ケーブル
私たちの日常に定着した充電ケーブルですが、これらは使い捨てられることが多く、環境への負担が懸念されています。
ここでは、サステナブルな素材や設計を採用し、環境への影響を減らすために開発された充電ケーブルをご紹介します。
Anker:エコフレンドリーケーブル
言わずと知れた充電器メーカのAnkerでも、サステナビリティ実現に向けてプラスチック削減等に取り組んでいます。
その中で、同社初のエコフレンドリー素材で作られたケーブルシリーズが「エコフレンドリーケーブル」です。
その特徴は次のとおり。
- トウモロコシやサトウキビなどの植物から作られたバイオマス素材を使用することで、プラスチックを削減
- 紙箱で販売することで、製品本体だけでなくパッケージもプラスチック使用量を削減
多少コストはかかるかも知れませんが、「良いものをより少なく長く使う」が豊かな生活にもつながります。
ぜひご検討ください。
おまけ:充電ケーブル多すぎ問題
最近でこそ、iPhoneを買った時にイヤホンが付属されなくなりましたが、それでも充電ケーブルはセットでついてきます。
他の電子機器を買った場合も同様です。
安っぽいUSBケーブルならわざわざ入れなくて良いのに、と思っていましたし、実際箱の中に入ったまま眠っている充電ケーブルが出てくるといったこともしばしば。
売る側も、買う側も、考え方を変える必要があるのでは?と思う今日この頃です。
そもそもケーブルを持ちすぎていないか?
ここで一つ問いたいのは、「そもそも充電ケーブルを持ちすぎていないか?」ということです。
ざっと家の中を見渡しただけでも、長短種類もさまざま10本以上は余裕で出てきます。
スマホやデバイス購入時に付属していたものに加えて、寝室用や外出用、複数デバイスに対応可能なもの、用途に分けて別途買い直したものなど、どんどん出てきます。
本当にこれだけの数が必要なのか?ということは、この機会に一度考え直したいところです。
安易に安いものを買ってきて使い捨てにするのではなく、耐久性の高いもの、使い勝手の良いものを少数精鋭で長く使う、これがやはり最適解かと思います。
上記の環境配慮型のケーブルなどを選択肢に、皆さんもいま一度持ち物を見直してもらえればと思います。
もちろん、不要になったケーブルは、回収ボックスに持ち込むなどで適切に処理してください。
充電ケーブルの総延長は地球何周分?
ふと疑問に思ったので調べてみました。
といっても明確な数字は出てこなかったので、適当に条件を仮定してざっくりと試算してみました。
スマートフォンの年間販売台数: 2021年のデータによると、日本でのスマートフォンの出荷台数は約3,000万台。
充電ケーブルの平均長さ: 一般的な充電ケーブルの長さは1mから1.5m。
これらの情報をもとに、日本でのスマートフォン充電ケーブルの総延長を試算すると、
総延長=年間販売台数×平均ケーブル長さ総延長
=30,000,000台×1.25m=37,500,000m(=40,000km)
これは、地球の赤道40,000kmに匹敵。
スマートホンの出荷台数ベースでも、日本だけで地球1周分になってしまいました。
スマホ1台に対して複数本のケーブルを持つことは一般的ですし、他の電子デバイスのケーブルも多数あることを考えると、数倍にはなるでしょう。
そして、出荷台数と同じくらい廃棄もされていると思われます。
日本国内だけでも、年間で地球何周分もの充電ケーブルが廃棄されると考えると、ちょっと考えさせられます。
ソースは不明ですが、世界では6億本以上の充電ケーブルが使用されているといった数字も出てきました。
すごい数字ですね。
試算の精度はさておき、思っていたよりもとんでもない量の充電ケーブルが廃棄されていそうだということが分かり驚きました。
持ちすぎない、安易に安物を買わない、ことあたりは意識したいところです。
まとめ
この記事では、充電ケーブルの捨て方について解説しました。
そして少し踏み込んで、不要なケーブルを大量に持っていることが問題なのでは?と課題感を示しました。
やはり「良いものを少なく持ち、長く使う」これがサステナビリティを意識した購買選択の基本です。
本サイトでは、このようなサステナブルな情報を提供し続けていきますので、より環境に優しい選択をする一助となれば幸いです。