【カーテンの捨てかた】布?プラ?紙?始まっている回収サービスとカーテンリサイクル
カーテンは私たちの生活空間に欠かせないアイテムですが、買い替えや引越しの際には、古くなったカーテンの処分に頭を悩ませることもあります。
あまり意識することはないでしょうか、実はカーテンの材質によって捨て方が異なるので正しい知識が必要です。
ここでは、カーテンの主な材質ごとに適切な捨て方をまとめました。
また、捨てる以外の選択肢として「カーテン回収プログラム」や、リサイクル素材から作られた「サステナブルなカーテン」など、カーテンにまつわる環境配慮情報についても紹介します。
こんなにあるカーテンの素材:それぞれ捨てかた
捨てかたを調べていて驚いたのが、「思いのほか種類が多い」ということです。
なんとなく「布」という程度の認識でしたが、遮光や断熱などカーテンに求める役割が増えたことで、材質も多様化しているようです。
まずは、カーテンの種類とそれぞれの分別方法についてまとめました。
天然繊維のカーテン
綿(コットン)
- 特徴:
- 自然な風合いと柔らかい肌触り
- 優れた通気性と保湿性で一年中快適
- 捨て方:
- 通常は小さく折りたたんで「可燃ごみ」
- 自治体によっては古布として回収してリサイクル
- 大きい場合は、切断して「可燃ごみ」または、素直に「粗大ゴミ」
麻(リネン)
- 特徴:
- サラッとした手触りが特徴で、耐久性が高く長持ち。
- 吸湿性と速乾性が高く、夏場でも快適
- 捨て方:
- 通常は小さく折りたたんで「可燃ごみ」
- 自治体によっては古布として回収してリサイクル
- 大きい場合は、切断して「可燃ごみ」または、素直に「粗大ゴミ」
化学繊維のカーテン
ポリエステル
- 特徴:
- 耐久性に優れ、シワになりにくく、カビや虫害にも強い。
- 遮熱や遮光などの特殊加工を施しやすい
- 捨て方:
- 通常は小さく折りたたんで「可燃ごみ」
- 大きい場合は、切断して「可燃ごみ」または、素直に「粗大ゴミ」
- 「古布」には当たらないので注意
アクリル
- 特徴:
- ウールに似た風合いで軽くて暖かい
- 洗濯してもシワになりにくく縮手入れがしやすい
- 捨て方:
- 通常は小さく折りたたんで「可燃ごみ」
- 大きい場合は、切断して「可燃ごみ」または、素直に「粗大ゴミ」
- 「古布」には当たらないので注意
- 自治体によっては不燃ごみとして扱われることも
特殊加工されたカーテン
遮光カーテン
- 特徴:
- 光を遮断する特殊なコーティングにより部屋を暗く保つことができる
- 材質:
- 多くはポリエステル生地に金属や樹脂のコーティング
- 捨て方:
- 大部分が布地なので基本は可燃ごみ
- 金属や樹脂のコーティングが暑いと不燃ごみとなることも
防音カーテン
- 特徴:
- 厚手の素材や特殊な層により外部の騒音を遮断します。
- 材質:
- 重量感のある厚手の布地、ビニールや他の吸音材料が含まれることも
- 捨て方:
- 一般的には可燃ごみ
- 特殊な材質を含む場合は不燃ごみになることもあるので注意
形状記憶カーテン
- 特徴:
- 洗濯後も元の形状に戻りやすい加工が施されており形を綺麗に保てる
- 材質:
- 主にポリエステルなどの合成繊維に特殊加工を施したもの
- 捨て方:
- 通常の化学繊維カーテンと同様に可燃ごみ
防炎カーテン
- 特徴:
- 火がついても燃え広がりにくい加工により火災時の安全性が高まる
- 材質:
- 燃えにくい加工が施された合成繊維
- 捨て方:
- 燃え広がりにくいだけで燃えないわけではないので燃えるゴミ
- 自治体によっては不燃ごみとして扱われることも
カーテンの捨てかたまとめ
いかがだったでしょうか。
まさか、カーテンの素材だけでこんなボリュームになるとは思っていませんでした。。
まとめると次のとおりです。
ところで、当然ですがカーテンのフックは取り外してから捨てるようにしてくださいね。
フックは硬質プラスチックまたは金属製であることがほとんどだと思いますので、それぞれ分別のうえ捨ててください。
なお、硬質プラスチックは「プラ」ではなく、まだ多くの自治体では「燃えるゴミ」扱いのことが多いです。
色々と記しましたが、結局はほとんど「燃えるゴミ」という面白くない結論になってしまいました。
天然素材であれ合成繊維であれ、燃やしてしまうのが一番手っ取り早いということなのでしょうね。
面白くないので、如何に燃やさないかという視点で他の「捨てかた」についても調べました。
以下、参考にしていただけると幸いです。
他にもあるカーテンの捨てかた:カーテン回収プログラム
サンゲツのカーテンエコプロジェクト
カーテンといえばの株式会社サンゲツは、環境保全に配慮した取り組みの一環として使用後のカーテンを回収する「サンゲツカーテン・エコプロジェクト」を実施しています。
このプロジェクトは、専用のタグラベルを活用して使用後のカーテンを回収しリサイクルしてくれます。
回収の手順
- タグラベルの確認:
- 「サンゲツカーテン・リサイクルシステム」のタグラベルが付いているものが回収の対象です。
- お申込みフォームの入力:
- 公式HPから申し込みフォームに入力し申し込み。
- ラベルに記載の番号への電話でも申し込み可能。
- 発送ラベルを添付し送付:
- 申し込み内容に応じて、サンゲツから発送用の専用ラベルが届きます。
- 専用ラベルに必要事項を記入し、商品を梱包して発送。
- ※カーテンフックやウェイトなどの部品は取り外す必要あり
- リサイクルの実施:
- サンゲツに届いたカーテンは、下記の方法でリサイクルされます。
リサイクル活用法
カーテンの状態によって下記の2つの方法でリサイクルされます。
- ケミカルリサイクル:回収したカーテンを素材として再資源化
- サーマルリサイクル:回収したカーテンを固形燃料化して熱エネルギーに変換します。←つまり、燃やすということ
自社製に絞ってラベルで識別することで、できるだけケミカルリサイクル(素材としての再利用)に努めているとのこと。
2024年3月からは、ポリエステル繊維をリサイクルして生まれた土「TUTTI(トゥッティ)」の原料にサンゲツのカーテン生地を活用するという取り組みも始まったようです。( https://www.sangetsu.co.jp/information/detail/20240314111810.html )
不要になったカーテンから土を作るというのも面白いですね。
素材としての活用が難しい場合も燃料として発電や熱利用に生かされるということで、できるだけ無駄にならないようにという同社の姿勢が感じられます。
詳細は、サンゲツの公式ページをご確認ください。
ニトリのカーテン回収の取り組み
お値段以上のニトリでも、サステナビリティへの取り組みの一環として不要になったカーテンを回収する取り組みを実施しています。
回収されたカーテンは、製品や生地として再利用されるだけでなく、素材としてリサイクルされて自動車の断熱材等へ生まれ変わるそうです。
取り組みの特徴
- 手続き不要で簡単に引き取り
- 店舗に持ち込み、店員さんに一声かけるだけで回収してくれてすぐ終わる
- ニトリ製品以外も対象
- ニトリ製品以外のカーテンも回収対象となっており、条件を満たせばどのメーカのどんな状態のカーテンでも回収してくれる
- ニトリメンバーズ会員への加入が必要
回収対象となるカーテン
- ドレープカーテン、レースカーテンどちらでも可。
- ただし、ブラインド・ロールスクリーン・カーテンレールは対象外。
- カーテンフックは事前に取り外しておく必要あり(フックは回収不可)
カーテン回収でお得になることも!?
2024年3月31日までの期間限定で、ニトリにカーテンを持ち込みむことでポイントが付与されるというキャンペーンが開催されていました。
残念ながら今はキャンペーン期間は終了してしまったようですが、タイミングによっては、不要なカーテンを持ち込むだけで、お得にポイントがもらえることがあるかもしれません。
ニトリの回収サービスは、事前の申し込みなし、面倒な手続きなし、他社製カーテンでもOKと、非常に簡単で活用しやすいです。
袋に入れて燃えるゴミに出す代わりに店舗に持ち込んでみる、これだけならハードル低く取り組めると思いますので、ぜひご活用ください。
カーテンの選び方:エコ素材のカーテンもあるらしい
環境貢献を目指した和紙カーテン『kami』
福井県の老舗メーカー・株式会社カズマが展開する天然素材カーテンブランド「KURASIKU」から、和紙100%の循環型カーテン「kami」という商品が発売されています。
「障子のようなカーテン」ということで、日本的な魅力の詰まったカーテンをご紹介します。
kamiの特徴
- 和紙特有の柔らかな風合い:
- 柔らかな光で空間に風情と安らぎを作り出す
- 生分解性の和紙100%:
- 水に強く破れにくい一方で、土に敷くと微生物の力で数ヶ月で分解される
- 循環型のカーテン:
- 不要になったkamiは回収し肥料に。天然染料の原料となる植物を育てて循環される
デザインと機能性
- 調湿・断熱・保温・防虫作用:
- 和紙の自然の特性を活かした機能性を備えつつ、しなやかな質感
- 天然染め:
- コーヒーの搾りかすや植物のアロニアによる天然染め
- サイズと価格:
- 一般的なサイズで、価格は1〜2万円程度と良心的。
- カラーは白茶・無垢・灰藤で、厚みは薄地と厚手の2種類
Kamiまとめ
kamiの誕生背景には、「無駄を出さないビジネスモデルをつくる」というクラシクの思いがあるそうです。
このような取り組みは、私たちの消費行動が環境に与える影響を考える良い機会になるのではないでしょうか。
和紙100%で弱いのでは?と思いましたが、特殊加工してあり洗濯もOKだそうです。
田舎の日本家屋で生まれ育った私としては、障子の雰囲気が好きなのですが、都会の家だとなかなかないんですよね。。
新居へ引っ越す際には候補に入ってきそうです。
エシカカーテン:廃ペットボトルから生まれたカーテン
インテリア事業を手がけるリリカラ株式会社が、ペットボトルを100%リサイクルした糸で作られカーテン「エシカ」を販売しています。
持続可能な社会づくりに貢献するために開発された環境に優しいカーテンで、昨今のプラスチックごみ問題への対策としても注目されています。
エシカカーテンの特徴
- リサイクル素材100%:
- 国内で回収されたペットボトルを100%使用
- 日本の高い選別・洗浄技術により高品質なカーテンに生まれ変わる
- ゴミ削減効果:
- 一般的なサイズのカーテン1枚で約160~200本分のペットボトルをリサイクル
- エコマーク認定:
- エシカカーテンは、グリーン購入法適合商品かつエコマーク認定品として、学校などの教育施設にもおすすめされている
ラインナップ
一般的なドレープカーテンや、レースカーテンに加えて、遮光カーテンや赤黒暗幕などもラインナップされています。
赤黒暗幕というと学校の体育館のカーテンが真っ先に浮かぶように、エシカカーテン自体が学校や公共施設での利用を視野に入れているようです。
そういった施設だと、リサイクル素材で作ったカーテンという教育効果も期待できそうです。
もちろん、一般の住宅でも使用可能とのことですので、気になった方は公式 HPをご覧ください。
学校や公共施設なんかは、すべて上記の環境配慮方のカーテンにしてしまえばいいのに、と思うのですが、何か障壁があるのでしょうか?
大量に使う場所だからこそ環境貢献効果も大きいはずなので、決定権のある方がこの記事を読んでくださることを期待しています。ぜひ!!
まとめ
この記事では、カーテンの捨てかたについてまとめました。
カーテンの捨て方には注意が必要で、材質や特殊加工の有無に応じて自治体の分別ルールに従うことが重要です。
一方で、リサイクル可能なカーテンは新たな製品へと生まれ変わるチャンスを持っており、私たちの選択が廃棄物の削減や資源の有効活用に貢献する一歩となります。
持続可能な未来への小さな一歩として、カーテン選びから始めて見てはいかがでしょうか。