【水筒の捨てかた】素材別の分別ルール&“捨てない選択肢”も紹介

「パッキンがカビだらけ…」「保温が効かなくなってきた…」
そんなとき、大切に使ってきた水筒をどう手放せばいいのか、迷う方も多いのではないでしょうか。
水筒は金属、プラスチック、シリコンなど複数の素材でできており、自治体ごとに分別ルールも異なるため、正しく処分するには少しコツが必要です。
でもちょっと待ってください。
最近ではメーカーの回収やパーツ交換、リユースといった“捨てない選択肢”も増えてきています。
この記事では、水筒を「ごみ」として処理する前に考えたい手放しかたを中心に、分別方法や回収サービスまで丁寧にご紹介します。


水筒は何ゴミ?まずは自治体のルールをチェック

最近は水筒にも様々な種類のものがあり、ステンレスやアルミ、プラスチック製など、それぞれ材質によって捨てかたが異なります。
水筒の主な素材と捨てかた一覧
水筒は主に以下の3つの素材で作られている場合が多いです。
素材 | 分別方法 | 処分時のポイント |
---|---|---|
ステンレス製 | 小型金属・不燃ごみ | 可能なら資源回収(自治体のルール要確認) |
プラスチック製 | 燃えるごみ or プラごみ | PP、PETなどのマークを確認 |
ガラス製(保温マグなど) | 不燃ごみ | 割れないように梱包 |
複合素材(プラスチック+金属) | ほとんどが不燃ごみ | 分解できれば分別 |
主な自治体の水筒分別ルール
地域 | ステンレス製 | プラスチック製 | 備考 |
横浜市 | 小さな金属類として「資源ごみ」(30cm以上は粗大ごみ) | プラスチック製キャップや注ぎ口は「プラスチック資源ごみ」 | 30cmを超えると粗大ごみ、透明袋で収集 |
東京都23区(例・墨田区) | 不燃ごみ(取り外し可能なプラは別) | プラ部分のみ「資源プラ」に分別 | 30cm超は粗大ごみ扱い |
大阪市 | 資源ごみ(缶・びん・金属製品と一緒) | 一体型のプラ水筒は「普通ごみ」(可燃ごみ) | 金属+プラ混合なら普通ごみ扱い |
東大阪市 | 小型不燃ごみ(透明袋に「不燃の小物」と表示) | 可燃ごみ(家庭ごみ)として扱われる | 分別表示と収集時間に注意 |

素材ごとに分解して処分が大事!
一口に水筒といっても、種類によって素材や構造はさまざまです。
金属・プラスチック・シリコンなどが組み合わさっており、正しく手放すには「種類ごとの違い」を押さえておくことが大切です。
代表的なタイプごとの分別ポイントをまとめます。

それぞれの素材に合った処分をすることで、再資源化の精度が上がり、環境負荷も軽減できます。
主なパーツと素材の例:
- 本体:ステンレス、樹脂(ポリプロピレンなど)
- フタ:同上
- パッキン・飲み口:シリコンまたはゴム系素材
- ストロー:プラスチック(ポリエチレンなど)
処理のポイント:
- 外せるパーツはすべて分解
- 異なる素材をまとめて出さない
- 破損の危険がある場合は新聞紙などで包んで安全に出す
ステンレス製の保温水筒(魔法瓶タイプ)

内びんと外装が金属で構成されており、保温・保冷効果が高いタイプです。
多くの場合、本体はステンレスで、不燃ごみや粗大ごみに分類されます。
フタやパッキンはプラスチックやシリコンなので、分解して素材ごとに分別しましょう。
プラスチック製の軽量ボトル

おしゃれなタンブラーや、スポーツ・アウトドア向けの水筒、さらには子ども用の小型ボトルまで──日常で使う水筒として意外とプラスチック製のものも多いです。
軽くて手軽に持ち運べて、価格も比較的安価なため、気軽に買い替えられる反面、「つい適当に捨ててしまいがち」な点には注意が必要です。
一体成型で分解できないものはそのまま可燃ごみとして処理されることが多く、素材表示が「プラマーク」の場合は資源ごみに分類される自治体もあります。
なお、リサイクルが難しいとされてきた製品プラスチックにも、近年では新たな再資源化ルートが整備されつつあります。
まだ自治体による差はありますが、将来的にはより多くの地域でリサイクル対象となる可能性も高まっています。
ガラス製魔法瓶は捨てにくい。。

一昔前に多く使われていた、ガラス製の内びんを持つ魔法瓶タイプの水筒で、現在主流のステンレス製とは異なり、保温構造の中心部にガラスが使われているタイプです。
非常に割れやすいため、使用中にヒビが入る・割れてしまうといったトラブルが起きやすく、すでに廃棄対象となっている家庭も多いかもしれません。
内びんが割れている場合は、新聞紙などでしっかり包み「危険」や「キケン」と書き添えてから、「不燃ごみ」として出すのが基本です。
外装は金属やプラスチック製であることが多いため、可能であれば分解して素材ごとに処分しましょう。
メーカの回収・再利用プログラム
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近年では、環境配慮への取り組みとして水筒メーカー各社が独自の回収・リサイクル施策を打ち出しています。
中には、ただ回収するだけでなく、ユーザーにとってもお得なキャンペーンと連動している場合もあり、チェックしておいて損はありません。
サーモスの店舗回収
サーモスでは、使用済みのステンレス製魔法びんを回収し再資源化を目指すサービスを提供しています。
「ボトル」「タンブラー」「スープジャー」などのステンレス製製品を対象の直営店舗(サーモスストア)で回収し、回収された製品はリサイクル業者のリバー株式会社によって処理され、再生材として様々な製品に再利用されます。
回収対象製品は、ステンレス製魔法びん構造のボトル、タンブラー、スープジャーで、メーカーの指定はありません。
回収に協力すると店舗で使用できる5%OFFの下取りクーポンが提供され、お得に買い物ができます。
他社製品でもOKとのことなので、近くにサーモスストアがある場合は活用してみてください。
▶︎公式サイト:ステンレス製魔法びん 回収サービス
タイガー魔法瓶:回収ボックス

(ボトル回収ボックス、全国359ヵ所に設置拡大 – タイガー魔法瓶 (tiger-corporation.com))
タイガー魔法瓶も、サステナビリティへの取り組みの一環として、使用済みステンレス製ボトルの回収サービスを実施しています。
次の写真のような回収ボックスを全国に361ヵ所(2023年6月時点)に設置されており、今後も設置場所の拡大を推進していくとのことです。
回収されたステンレス製ボトルは、リサイクル専門業者によって分別・処理され、再生ステンレス材や再生ポリプロピレン樹脂製品に生まれ変わります。
イオンやハンズなど身近な店舗にも設置されているようなので気軽に持ち込めま、もちろん他社製品でもOKとのこと。

対象のサーモスストアはあまり数が無いので、持ち込み可能な方は限られるかもしれません。
一方でタイガーの回収ボックスは近所のショッピングモールなど、比較的身近にあるので使いやすいでしょう。

回収されたその後は?処分・再資源化の行方
水筒は「ただのゴミ」ではありません。
回収されたあとの処理フローを知ることで、資源としての価値が見えてきます。
ステンレス・アルミなどの金属製ボトル
ステンレス製やアルミ製の水筒は、回収後に解体・分別され、金属リサイクルへとまわされます。
再資源化された金属は、自動車部品や建材、別の家電製品などの材料として再利用されることが多く、高いリサイクル価値を持っています。
プラスチック・シリコンパーツ
プラスチック製の水筒や、フタ・パッキンに使われるシリコンパーツなどは、自治体によって「燃えるごみ」または「プラスチックごみ」として扱われます。
専用のリサイクルルートがない場合は焼却処理されますが、その際に熱回収(サーマルリサイクル)されてエネルギーとして再利用されることもあります。
まとめ:水筒は「ごみ」じゃない。あなたに合った手放しかたを
水筒は複数の素材でできており、捨てるにも少しコツが必要です。
でも、ただ捨てるだけでなく、分解してリサイクルに回す、回収サービスを活用する、パーツ交換やリユースを検討するなど、“捨てない選択肢”も増えています。
長く使ったからこそ、最後まで丁寧に手放すことが、サステナブルな暮らしにつながります。
この記事が、あなたにとって“より良い手放しかた”を選ぶヒントになれば嬉しいです。
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