【スプレー缶の捨てかた】デオドラントや殺虫剤は穴あけ不要?安全な処分方法を解説

スプレー缶、捨て方を間違えると危険です!
デオドラントやヘアスプレー、殺虫剤のスプレー缶、どのように処分しますか?
「もう出ないから…」と、何気なくゴミ箱に入れたりしていませんか?
実はスプレー缶の捨て方を間違えると、火災や爆発といった重大な事故につながることがあります。
近年では、美容室や集合住宅のゴミ収集所でスプレー缶が原因の火災事故が報告されており、正しい処分の必要性が高まっています。
この記事では、特に家庭でよく使われる「デオドラントスプレー」「ヘアスプレー」を中心に、安全で正しいスプレー缶の捨て方を解説します。

スプレー缶は何ゴミ?まずは基本の捨て方を確認

スプレー缶の捨て方は、自治体によって異なります。
以下に一部自治体の例をまとめました。
自治体 | 分別区分 | 出し方・備考 |
---|---|---|
東京都23区 | 資源ごみ | 中身を完全に使い切る。穴あけ不要。スプレー缶専用の回収日に出す。 |
大阪市 | 危険ごみ | 中身を使い切って「危険ごみ」として別収集。穴あけ不要。 |
名古屋市 | 資源ごみ | 中身を空にして指定袋に入れて週1回の資源回収日に出す。 |
なぜ穴をあけてはいけないの?事故の背景と処理の変化
ひと昔前までは「スプレー缶には穴をあけてから捨てましょう」というのが常識でした。
しかし現在、多くの自治体では穴あけ不要、むしろ危険としています。
その理由は、中身が残っているスプレー缶に穴をあけたことによる爆発事故が全国で多発しているからです。
事故例

多くのスプレー缶には可燃性ガス(LPGなど)が使われており、ガス抜き中のちょっとした火花や静電気で引火する危険があります。
コンロの火つけたまま穴を…スプレー缶が爆発し女性が顔などやけどする火事
出典:KKT NEWS NNN 2024年12月16日 18:59(https://news.ntv.co.jp/n/kkt/category/society/kk52603b65004649ed9f0b73d3f5557def)
また、きちんと分別されていないスプレー缶がごみ収集車内で圧縮されて爆発事故につながるケースや、処理施設内での火災リスクも報告されています。
スプレー缶爆発か、ごみ収集中にやけど 長浜市
中日新聞 2021年4月23日 05時00分 (4月23日 17時18分更新)(https://www.chunichi.co.jp/article/241867)
ごみ処理施設の缶圧縮機で爆発、衝撃で近隣施設の窓ガラス割れる…ガスに引火か
出典:読売新聞オンライン2024/11/09 16:00(https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20241109-OYO1T50017)
このほかにも、毎年かなりの数の事故事例が報告されており、各自治体からもスプレー缶の捨てかたについて注意喚起が出されています。
こうした事故を防ぐためにも、必ず中身を使い切り、地域のルールに従った適切な処分が重要です。
蓋やスプレーヘッドは何ゴミ?分別のポイント

スプレー缶本体は金属製ですが、蓋やスプレーヘッドの多くはプラスチックです。
これらは引っ張ると簡単に外せるものも多く分別推奨です。
素材別の対応

- プラスチック蓋・ノズル:
- 外せる場合は「プラスチックごみ」または「燃えるごみ」
- 一体型で外せない場合:
- 無理に外さず、そのままスプレー缶として出してOK(自治体による)
特に殺虫剤スプレー(ハチ用バズーカタイプなど)は、噴射レバーや安全キャップ部分などに大きめのプラスチックパーツが使われていることが多く、構造的にも“複合素材”の性格が強い製品です。
分解できる範囲でパーツを外して分別するのが理想ですが、難しい場合は無理せず自治体の指示に従いましょう。
中身が残っている場合は?安全な“使い切り”のコツ
スプレー缶を捨てる際の最重要ルールは「中身を使い切る」ことです。
安全な使い切り方法:

- 屋外の風通しの良い場所で行う
- 新聞紙などに向かって、最後までスプレー
- シューッという音が出なくなるまで続ける
回収されたスプレー缶の行方は?
中身を使い切ったスプレー缶はリサイクルへ
中身を完全に使い切り分別回収されたスプレー缶は、主に以下のような流れで処理されます。
- 回収されたスプレー缶は圧縮・破砕処理
- 高炉などで溶融され新たな金属製品として再生利用
中身が残っていると処理できないことも
一方、中身入りのまま出された缶は、爆発リスクがあるため再資源化できず、埋立・焼却されることもあります。
処理施設では中身の有無を確認できないため、未使用や残量のある缶は安全上の理由から資源ごみとして受け入れられず、やむを得ず埋立処分されるケースも少なくありません。
こうした「処理の手間」と「安全管理の負担」を増やさないためにも、家庭での“中身の使い切り”がとても重要なのです。
まとめ:危険を避けて、正しく手放そう
スプレー缶の捨て方は、一歩間違うと事故につながることもある重要なテーマです。
- 必ず中身を使い切る
- 穴あけは不要(むしろNG)
- 蓋やノズルは分別できるなら別処理
- 各自治体のルールを確認する
ご家庭のなかに“放置されたスプレー缶”がある方は、ぜひこの機会に正しい処分を検討してみてください。
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