ゴミ箱の向こう側
PR

【紙ごみの向こう側】紙は燃えるのに、なぜ分ける?古紙循環の仕組み

つまようじ
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

新聞や段ボールって、燃えるのにどうしてわざわざ分けるの?

新聞、段ボール、お菓子の空き箱、紙袋。

どれも紙なので、焼却施設へ運ばれれば燃やすことができます。

それなら、なぜ私たちは「燃えるごみ」とは別に、古紙や資源ごみとして紙を分けているのでしょうか。

その理由は、紙が「燃やせるもの」であると同時に、「もう一度使える資源」でもあるからです。

燃やせば、その紙の役目はそこで終わります。

一方、古紙として適切に回収されれば、紙をつくっている繊維を取り出し、新しい紙の原料としてもう一度利用することができます。

ただし、すべての紙をリサイクルすればよい、という単純な話でもありません。

紙の種類や状態によって、リサイクルに向くものと向かないものがあります。

今回は、紙がゴミ箱を出たあと、どのような道をたどるのかをのぞいてみましょう。

スポンサーリンク

紙は燃える。それでも分けるのはなぜ?

紙は可燃物です。

燃えるごみとして焼却施設へ運ばれれば、燃焼して処理されます。

施設によっては、そのときに発生する熱を回収し、発電や熱利用に活用することもできます。

つまり、紙を燃やすことそのものが間違いなわけではありません。

では、なぜ新聞や段ボールなどをわざわざ分別するのでしょうか。

理由は、その紙にまだ「素材としての使い道」が残っているからです。

新聞や段ボールなどの古紙には、紙をつくるための繊維が残っています。

適切に回収すれば、その繊維を取り出し、新しい紙の原料として利用できます。

燃やせるから燃やす。

それも一つの処理方法です。

しかし、まだ紙として使えるのであれば、燃やす前にもう一度「紙」として利用する道があります。

「燃えるかどうか」と「燃やすのがよいかどうか」は、少し違う話なのです。

▶︎あわせて読みたい

燃えるごみに出した紙がその後どうなるのかは、「燃えるゴミの向こう側」で紹介しています。

あわせて読みたい
【燃えるゴミの向こう側】捨てたあとどこへ行く?焼却施設から見える、分別の意味
【燃えるゴミの向こう側】捨てたあとどこへ行く?焼却施設から見える、分別の意味

回収された古紙は、どうやって新しい紙になる?

資源として分けた紙が、そのまま新しい紙になるわけではありません。

回収された古紙は、種類ごとに分けられ、紙以外のものを取り除き、再び紙をつくるための原料へ戻されます。

ここからは、古紙がもう一度「紙」になるまでの旅を見てみましょう。

まずは、紙を種類ごとに分ける

古紙とひとことで言っても、すべて同じではありません。

代表的なものだけでも、

  • 新聞
  • 段ボール
  • 雑誌
  • 雑がみ
  • 紙パック

などがあります。

使われている紙の性質や、次につくる紙に求められる品質が違うため、古紙も種類ごとに分けて回収・利用されます。

家庭で新聞と段ボールを分けて出すことにも、その先の再利用につながる理由があるのです。

水の中で、紙を繊維にほぐす

回収された古紙は、紙の原料として使える状態に戻していきます。

その工程で重要になるのが、紙を水の中でほぐすことです。

紙は、細かな植物繊維が絡み合ってできています。

水と一緒にかき混ぜることで、紙という形を崩し、繊維が分散した状態へ戻していきます。

ここが、紙リサイクルのおもしろいところです。

新聞や段ボールという「モノ」をそのまま再利用するのではなく、一度「紙の繊維」に戻しているのです。

紙以外のものを取り除く

回収された古紙には、紙だけが入っているとは限りません。

金属やプラスチック、粘着物などが混ざることもあります。

こうした異物を取り除き、次の紙をつくるために使える原料へ整えていきます。

古紙をきれいに分けて出すことが大切なのは、この後の工程にも関係しています。

もう一度、新しい紙へ

整えられた古紙パルプは、新しい紙をつくる原料として利用されます。

水分を含んだ繊維を広げ、脱水し、乾燥させることで、再び「紙」になっていきます。

  1. 古紙
  2. 紙の繊維
  3. 新しい紙

私たちが資源として分けた一枚の紙は、こうして次の紙へとつながっていきます。

同じ紙でも、生まれ変わる先は違う

紙を種類ごとに分けるのには理由があります。

新聞、段ボール、雑誌、紙パックでは、使われている紙の性質も違えば、再生後に求められる品質も異なります。

そのため、回収された古紙は、それぞれの特徴に合った次の製品へ利用されています。

新聞は、新聞などの原料へ

回収された新聞古紙は、新しい新聞用紙などの原料として利用されます。

読み終われば役目を終えたように見える新聞も、紙の繊維まで不要になったわけではありません。

古紙として回収されることで、次の紙へ引き継がれていきます。

段ボールは、再び段ボールへ

ネット通販や引っ越しなど、私たちの暮らしで大量に使われている段ボール。

使用後に回収された段ボールも、新しい段ボールをつくるための重要な原料になります。

箱としての役目を終えても、また別の箱を支える材料になれるのです。

雑誌や雑がみも、紙製品の原料になる

雑誌や、お菓子・ティッシュなどの紙箱、包装紙、紙袋などの「雑がみ」も、回収ルートに乗れば紙製品の原料として利用できます。

燃えるごみとして何気なく捨ててしまいやすい紙だからこそ、自治体の資源回収の対象になっていないか、一度確認してみる価値があります。

紙パックは、トイレットペーパーなどへ

牛乳などに使われる紙パックも、古紙資源の一つです。

紙パックには品質の高いパルプが使われており、回収されたものはトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの原料として利用されます。

同じ「紙」でも、その特徴によって次の役割は変わります。

紙は、何度でも紙に戻れる?

ここまで見ると、

だったら、紙はずっとリサイクルし続ければいいんじゃない?

と思うかもしれません。

しかし、紙の循環には限界があります。

紙の繊維は、少しずつ変化していく

紙をリサイクルするときは、水の中で紙をほぐし、繊維を取り出します。

この工程を繰り返すうちに、繊維は少しずつ短くなったり、傷んだりしていきます。

やがて、紙をつくる原料として利用しにくくなる繊維も出てきます。

つまり、紙は資源として循環できますが、同じ繊維を永久に使い続けられるわけではありません。

新しいパルプも、紙の循環を支えている

古紙を使うことと、新しい木材由来のパルプを使うことは、単純な二者択一ではありません。

循環の中で失われたり、短くなったりする繊維を補いながら、紙という素材を社会の中で使い続ける必要があります。

古紙をできるだけ活かしながら、新しい繊維も加わる。

紙の資源循環は、そうした組み合わせによって成り立っています。

これは、「リサイクルさえすれば資源を永遠に使える」というわけではないことも教えてくれます。

では、燃やした方がいい紙もある?

紙は資源になる。

だからといって、すべての紙を古紙回収へ出せばよいわけでもありません。

紙の中には、汚れや加工、使われている素材などによって、古紙の原料として利用するのが難しいものがあります。

ここでも大切なのは、その紙に合った道へ渡すことです。

汚れた紙は、リサイクルに向かないことがある

食品や油などでひどく汚れた紙は、古紙の原料として利用できない場合があります。

例えば、食品が付着した紙や、油を多く含んだ紙などです。

「紙でできているから資源ごみ」と考えて混ぜてしまうと、かえってリサイクルの妨げになることがあります。

古紙に混ぜてはいけない「禁忌品」もある

見た目は紙でも、古紙回収に適さないものがあります。

加工された紙や、紙以外の素材と組み合わされたものなどは、製紙工程で問題を起こすことがあります。

こうしたものは「禁忌品」として、古紙に混ぜないよう案内されている場合があります。

何が対象になるかは自治体や回収方法によって異なるため、

「紙だから全部まとめる」のではなく、地域の分別ルールを確認することが大切です。

💡 紙ごみの豆知識

シュレッダーした紙なら、紙だからリサイクルできる?

実は、シュレッダーした紙の扱いも自治体や回収方法によって異なります。

資源として回収する地域もあれば、燃えるごみとして扱う地域もあります。

細かくすれば何でもリサイクルしやすくなる、というわけではないのです。

つまようじ
つまようじ
▶︎あわせて読みたい

「シュレッダーごみの捨てかた」では、細断した紙の分別や処分方法を詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
【シュレッダごみの捨てかた】燃やす?活かす?細切れ紙のゆくえ
【シュレッダごみの捨てかた】燃やす?活かす?細切れ紙のゆくえ

家庭でできることは「まだ使える紙を、紙として渡すこと」

紙のリサイクルには、選別や製紙などさまざまな工程があります。

でも、家庭で私たちがすることは、それほど難しくありません。

資源として回収できる紙を、

  • 地域のルールに合わせて分けて出すことです
  • 新聞や段ボールを分ける
  • 雑がみとして回収できる紙を燃えるごみに混ぜない
  • 古紙に向かない紙は無理に混ぜない

その小さな分別が、紙を次の紙へつなぐ入口になります。

燃える紙をすべて資源にする必要はありません。

反対に、資源としてまだ使える紙を、すべて燃やす必要もありません。

その紙にまだ「紙としての次の役割」があるのか。

ゴミ箱へ入れる前に少しだけ考えることが、紙の循環につながります。

▶︎あわせて読みたい

個人情報や機密情報が書かれた紙も、「燃やす」「シュレッダーする」以外に、情報を守りながら資源として回収する方法があります。

「機密書類の捨てかた」では、溶解処理という選択肢も紹介しています。

あわせて読みたい
【秘密書類の捨てかた】実は個人でも使える「溶解処理」
【秘密書類の捨てかた】実は個人でも使える「溶解処理」

まとめ|紙は燃える。でも、まだ紙として使えるかもしれない

紙は燃える素材です。

焼却施設で適切に処理することも、紙の行き先の一つです。

しかし、新聞や段ボール、雑がみなど、まだ紙の原料として利用できるものには、その前にもう一つの道があります。

  • 古紙として回収し
  • 分けて
  • 繊維に戻し
  • 新しい紙をつくる

そうすることで、一度使った紙をもう一度資源として活かすことができます。

一方で、紙の繊維は永久に循環できるわけではありません。

汚れや加工によって、リサイクルに向かない紙もあります。

だから大切なのは、

「紙だから燃やしていい」でも、「紙だから全部リサイクル」でもありません。

その紙に合った道へ渡すことです。

燃えるごみと資源ごみ。

家庭ではほんの少しの分別の違いですが、その向こう側では紙の行き先が大きく変わります。

次に紙を捨てるとき、

「これは燃える紙?」だけではなく、「まだ使える紙?」

と考えてみる。

それが、紙の資源循環につながる最初の一歩です。

ほかの「素材の向こう側」ものぞいてみる

紙は、繊維を取り出し、もう一度紙の原料として利用することができます。

でも、素材が変われば、循環の仕方も変わります。

PETボトルは、どうやって再びボトルへ戻るのでしょうか。

ガラスびんは、なぜ色ごとに分ける必要があるのでしょうか。

アルミ缶やスチール缶は、どのように金属資源へ戻るのでしょうか。

金属製品は、どのように形を変えて社会へ戻っていくのでしょうか。

そして、さまざまな種類があるプラスチックはどうでしょう。

素材ごとに、それぞれ違った「向こう側」があります。

気になる素材から、その旅をのぞいてみてください。

関連記事

sutekatainfo.comでは、家庭で迷いがちな“捨てかた”を入口に、ルールや背景・意味を紐解き、納得感を持って行動できる情報をお届けしていきます。

収集・焼却・選別・埋立の実像から分別の意味・理由を知る
スポンサーリンク
ABOUT ME
つまようじ
つまようじ
環境プラント関連のエンジニアとして働きながら、妻と二人の子どもと暮らしています。
子育ての中で感じた「これ、どうやって捨てるの?」という迷いをきっかけに、このサイトを始めました。
本業で得た知見も活かしながら、正しい捨てかたと、捨てないための選択肢を分かりやすく届けます。
記事URLをコピーしました